セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル o-019:

索状物による絞扼で生じた急性胆嚢炎の1例

演者 佐藤 礼子(石川県立中央病院 消化器外科)
共同演者 北村 祥貴(石川県立中央病院 消化器外科), 黒川 勝(石川県立中央病院 消化器外科), 安部 孝俊(石川県立中央病院 消化器外科), 奥出 輝夫(石川県立中央病院 消化器外科), 森山 秀樹(石川県立中央病院 消化器外科), 小竹 優範(石川県立中央病院 消化器外科), 稲木 紀幸(石川県立中央病院 消化器外科), 伴登 宏行(石川県立中央病院 消化器外科), 山田 哲司(石川県立中央病院 消化器外科)
抄録 患者は86歳、女性。2012年12月朝、排便後より、突然右上腹部から右下腹部にかけて間欠的な痛みが出現したため、救急外来を受診した。腹部は平坦、軟で、腹膜刺激症状などの所見に乏しく、血液検査でALPの上昇とCRPの軽度上昇を認めた。腹部CTでは胆嚢に高度浮腫があり、胆嚢粘膜は造影されるものの胆嚢壁には造影効果を認めなかった。検査所見から胆嚢捻転症と診断し、緊急手術を施行した。腹腔鏡で観察すると、胆嚢体部から底部にかけて、暗赤色を呈し浮腫状であった。同部位は肝臓から腹壁へつながる索状物で絞扼されており、索状物を切離すると絞扼は解除された。当初予想していた胆嚢捻転は認めず、型通り腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。摘出標本では胆嚢体部から底部にかけて広汎に出血を認め、絞扼のための循環障害による変化と考えられた。術後経過は良好で術後7日目に退院した。絞扼による胆嚢炎は稀な疾患であるので報告する。
索引用語 絞扼性胆嚢炎, 急性腹症