セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | o-034:胃癌の化学療法中に生じたPulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)の1剖検例 |
演者 | 東 慶之介(石川県立中央病院 消化器内科) |
共同演者 | 辻 重継(石川県立中央病院 消化器内科), 太田 亮介(石川県立中央病院 消化器内科), 竹田 康人(石川県立中央病院 消化器内科), 朝日向 良朗(石川県立中央病院 消化器内科), 中西 宏佳(石川県立中央病院 消化器内科), 辻 国広(石川県立中央病院 消化器内科), 富永 桂(石川県立中央病院 消化器内科), 稲垣 聡子(石川県立中央病院 消化器内科), 吉田 尚弘(石川県立中央病院 消化器内科), 竹村 健一(石川県立中央病院 消化器内科), 山田 真也(石川県立中央病院 消化器内科), 岡田 俊英(石川県立中央病院 総合診療科), 車谷 宏(石川県立中央病院 病理診断科), 土山 寿志(石川県立中央病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は60歳代、男性。2011年7月に心窩部不快感と体重減少を主訴に当科を初回受診した。上部消化管内視鏡検査にて胃体上部小彎に約5cm大の3型進行癌を、腹部造影CT検査にて胃噴門部から腹部大動脈周囲に広範なリンパ節腫大を認めた。日本臨床腫瘍研究グループによる治癒切除不能進行胃癌に対する胃切除術の意義に関するランダム化比較第3相試験(JCOG0705)に登録され、胃全摘術が施行された。術後組織診断はAdvanced gastric cancer,UM,type3, 54×53mm,por2>por1>tub2,pT4a(SE),sci,INFc,ly3,v3,pPM0,pDM0であった。術後化学療法の1次治療としてS-1+CDDP療法を5コース行い、2次治療としてCPT-11療法を8コース行なったが、2012年5月に施行された腹部造影CT検査にて傍大動脈リンパ節の増大とリンパ節転移からの尿管浸潤による水腎症の出現を認めた。2012年6月より3次治療としてweekly Paclitaxel療法を2コース行ったが、2012年7月下旬に突然強い倦怠感と呼吸困難感を自覚し当院に救急搬送となった。来院時に低酸素血症を認めたが、胸部造影CT検査にて異常所見は認めなかった。入院翌日朝より呼吸苦の増悪と低酸素血症の進行を認めた。心電図上右脚ブロックが出現し、心臓超音波検査にて著明な右室負荷の所見を認めたが、再度施行された胸部造影CTにおいても明らかな肺塞栓症の所見は認めなかった。ICU入室後に全身管理を行ったが、同日午後に心肺停止状態となり、死亡退院となった。剖検所見では肺動脈に多発する微小腫瘍塞栓と内膜の線維性肥厚を伴った血栓塞栓を認め、Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)と診断された。PTTMは肺動脈末梢の多発性腫瘍塞栓とそれに続発する微小血栓により急性心肺不全をきたす疾患で、生前の確定診断は困難とされている。PTTMはそれ自体まれな病態であり、原因不明の進行性の肺性心に対してはPTTMも鑑別診断にあげるべきと考えられ、若干の文献的考察を含め報告する。 |
索引用語 | PTTM, 胃癌 |