共同演者 |
太田 亮介(石川県立中央病院 消化器内科), 竹田 康人(石川県立中央病院 消化器内科), 朝日向 良朗(石川県立中央病院 消化器内科), 中西 宏佳(石川県立中央病院 消化器内科), 辻 国広(石川県立中央病院 消化器内科), 稲垣 聡子(石川県立中央病院 消化器内科), 冨永 桂(石川県立中央病院 消化器内科), 吉田 尚弘(石川県立中央病院 消化器内科), 辻 重継(石川県立中央病院 消化器内科), 山田 真也(石川県立中央病院 消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院 消化器内科) |
抄録 |
【目的】Mutoらは多施設ランダム化比較試験において,食道表在癌の早期発見におけるNBIの圧倒的な有用性を報告した.当院ではNBI市販直後に導入し,北陸におけるNBIの普及を目指し地方会等でその有用性を繰り返し報告してきた.NBIが市販されて6年以上経過し,拾い上げに貢献するクリニックや検診施設でもNBIが普及してきている.その現状を確認するため,市販前後における食道表在癌の詳細について当院及び紹介医別に検討する.【方法】対象は2004年から2012年までに当院にて内視鏡治療を行った食道表在型扁平上皮癌256病変.当院及び紹介医別にNBI市販前(2004~2006年),NBI市販後前期(2007~2009年),市販後後期(2010年~)の全病変発見数の推移,NBIによる病変発見率(NBIによる発見数/全病変数),平坦小病変の頻度(長径10mm以下0-IIb病変数/全病変数),紹介施設数を検討した.【成績】当院で発見した食道表在癌は市販前13例,市販後前期21例,市販後後期83例,紹介医ではそれぞれ14例,42例,83例であった.NBIによる発見率は市販後前期において当院95.2%(20/21),紹介医9.5%(4/42),市販後後期では当院92.8%(77/83),紹介医65.1%(54/83),平坦小病変は当院,紹介医ともに市販前には発見できておらず,市販後前期では当院38.1%(8/21),紹介医11.9%(5/42),市販後後期で当院27.7%(23/83),紹介医13.3%(11/83)であった.紹介施設数は市販前8,市販後前期28,市販後後期41施設であった.【結論】NBI市販前後において当院及び紹介医ともに食道表在癌の発見数は増加し,特に市販後後期における発見数の増加は顕著であった.NBIによる病変発見率,平坦小病変の発見頻度は紹介医においても経時的に増加し,また紹介施設数も徐々に増加しており,一般診療におけるNBI普及率は増加していると推測される.今後さらなるNBIの普及が望まれる. |