セッション情報 一般演題

タイトル o-042:

多発肝転移を伴う進行大腸癌に対しCmabの再投与が奏功した1例

演者 根塚 秀昭(八尾総合病院 外科)
共同演者 尾島 敏彦(八尾総合病院 外科), 江嵐 充治(八尾総合病院 外科), 藤井 久丈(八尾総合病院 外科), 山田 正明(八尾総合病院 内科), 山田 一樹(八尾総合病院 内科), 齋藤 智裕(八尾総合病院 内科), 南部 修二(八尾総合病院 内科)
抄録 【はじめに】抗VGFR抗体・抗EGFR抗体等の分子標的治療薬を併用した化学療法戦略により、多発肝転移を伴う大腸癌の治療成績は飛躍的に向上している。2012年3月、Annals of Oncologyに分子標的治療薬(抗EGFR抗体)のRe-Challengeに関する臨床試験結果が報告され、高い治療効果が示された。今回我々は、多発肝転移を伴う進行大腸癌に対して、Cmabの3rd-line以降の再投与(Re-Challenge)が奏功した1例を経験したので報告する。【症例】46歳男性。切除不能多発肝転移を伴う直腸Rs癌に対して腹腔鏡補助下前方切除術(D2郭清、DST再建)を施行した。術後病理結果はSE N2 H3 P1 stage4 K-ras wild typeであった。【治療経過】術後化学療法は1st-lineとしてFOLFOX+Bvを投与した。PRの治療効果を認めたが8コース目にアレルギーが出現したため中断した。conversion therapyを目的として2nd-lineにはFOLFIRI+Cmabを投与し、6ヶ月間SDの効果を認めたが、その後PDに増悪した。3rd-lineにはFOLFIRI+Bvを投与したがPD。EGFR抗体のRe-Challengeに関する臨床試験結果が報告されたことより、全身状態は良好であり、患者の希望も強く、充分なICのもとFOLFIRI+Cmab(Cmab再投与:Re-Challenge)を投与したところ、PR inを確認した。術後2年経過し、PS良好で外来通院中である。【まとめ】今回我々は多発肝転移を伴う進行大腸癌症例に対して、3rd-line以降のCmab再投与が奏功した症例を経験した。現在、分子標的薬に関する種々のエビデンスが報告されている。1:Bevacizumabのbeyond効果。2:CetuximabのRe-Challenge概念。3:Cetuximabのearly tumor shrinkage。今後も更に治療の選択肢が広がる可能性がある。分子標的薬の至適な投与を考慮し使い分けることにより、長期奏功が得られる可能性が示唆された。
索引用語 大腸癌, 化学療法