セッション情報 一般演題

タイトル o-01:

C型慢性肝炎に合併し、自然消褪傾向を認めた肝脾悪性リンパ腫の一例

演者 飯田 文世(金沢社会保険病院)
共同演者 三輪 一博(金沢社会保険病院)
抄録 【症例】81歳女性【現病歴と経過】C型慢性肝炎、高血圧などで当科に通院中であった。C型肝炎についてはUDCA内服を継続されていたが、概ねALT31未満で良好に経過していた。2013年1月定期経過観察目的の腹部CTで肝脾に多発する腫瘤を偶然指摘された。腫瘤は単純CTで低吸収で造影効果は早期・後期とも一貫して弱く、また超音波検査ではhaloを伴わない均一な低エコー腫瘤であった。血液検査でLDHは高値(512IU/l)であったが、AFP, PIVKA, CEA等の腫瘍マーカーは全て正常内であった。PET-CTでは同腫瘤に一致してFDG集積を認め、他部位に集積は認められなかった。また上下部消化管内視鏡検査でも特筆すべき所見は認められなかった。これらの結果より、肝細胞癌や他臓器癌転移よりも肝脾の悪性リンパ腫を疑い、同年2月25日に外科的に肝腫瘍生検を施行された。この結果、腫瘍内に大型の異型リンパ球の結節状増殖を認め、また同異型リンパ球はCD20陽性, CD45RO陰性である事等が判明し、diffuse large B cell lymphomaと診断された。同年3月下旬化学療法目的に他院に転院となった。なお、無治療にも拘らず転院前の約1ヶ月の経過で肝脾の当該腫瘤はCT上縮小あるいは一部消退傾向を認めたほかLDHも正常内まで低下しており、DLBCLの経過としては比較的稀と考えられた。【考察】HCVは肝細胞のみならず血液系の免疫担当細胞にも感染し、クリオグロブリン血症、原発性マクログロブリン血症、骨髄腫、悪性リンパ腫など肝外病変といわれる種々のリンパ増殖性疾患を合併する事が知られている。多くの疫学的研究からもHCV感染とB 細胞性非ホジキンリンパ腫には強い関連性が示唆されており、特にdiffuse large B cell typeが多いことも分かっている。ただ、HCVが悪性リンパ腫を発生させる具体的なメカニズムについては、諸説あるものの必ずしもその詳細は明らかになっていない。また本症例は無治療にも拘らず約1か月の経過でリンパ腫の縮小あるいは消褪傾向を認めた。DLBCLの経過としては比較的稀でもあり、HCV感染と悪性リンパ腫についての最近の文献的知見も含めて報告する。
索引用語 悪性リンパ腫, C型肝炎