セッション情報 一般演題

タイトル o-032:

P0CY1stage4胃癌に対し化学療法後、根治術を施行し長期生存を得た1例

演者 渡辺 徹(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科)
共同演者 奥村 知之(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 橋本 伊佐也(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 平野 勝久(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 大村 哲也(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 森山 亮仁(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 山口 哲司(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 大澤 宗士(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 神山 公希(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 渋谷 和人(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 北條 荘三(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 松井 恒志(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 吉岡 伊作(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 澤田 成朗(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 吉田 徹(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 長田 拓哉(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科), 魚谷 英之(富山大学附属病院 光学医療診療部), 塚田 一博(富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科)
抄録 【症例】68歳女性【主訴】下腿浮腫【現病歴】2006年7月、下腿浮腫を主訴に受診した医療機関にて貧血を指摘され上部消化管内視鏡検査を施行。胃体中部から前庭部にかけて全周性の4型胃癌(por1/sig)を指摘され精査加療目的に同年9月当科紹介受診。【画像所見】腹部CTにて胃体部全周に不規則な隆起性腫瘍を認め、大弯小弯側にリンパ節腫大、少量の腹水を認めた。【診断と治療】治療方針決定目的に同年9月審査腹腔鏡を施行。腹膜播種は認めず4d大弯リンパ節転移を認めた。腹腔内洗浄細胞診にてclass5:adenocarcinomaの診断を得T3(SE)N1P0CY1stage4胃癌(胃癌取扱い規約第13版)と診断した。化学療法としてS-1/Doc(TS-1:100mg day1-14,Doc: 60mg day8)を2コース施行後、効果判定を行った。上部消化管内視鏡検査では体下部から前庭部にやや柔らかくなった印象の全周性4型腫瘍を認め、腹部CT上胃体部全周性の壁肥厚と大弯側の軽度リンパ節腫脹を認めたものの腹水は消失しcPRと診断。【手術と経過】CY0を確認した上で胃全摘+脾臓合併切除術D2郭清、pouchR-Y再建を行い合併症なく退院。pT1N1H0P0CY0M0 pStage1Bでありgrade2の治療効果を認めた。術後補助化学療法としてS-1内服を半年間継続し、現在術後6年半経過し無再発生存中である。肉眼的に腹膜播種がなく(P0)治癒切除可能と考えられる胃癌で術中洗浄細胞診陽性例(CY1)、は肉眼的に播種がある例(P1)と同様に予後が極めて不良とされ胃癌取扱い規約上Stage4に分類される。切除可能な進行胃癌のうち30%はこのP0CY1胃癌に属すが胃癌治療ガイドライン上の標準的治療法はない。今回審査腹腔鏡にてP0CY1のstage4胃癌と診断しS-1/Docによる化学療法後、D2根治術を行い長期生存している症例を経験したので若干の文献的考察を踏まえ報告する。
索引用語 stage4胃癌, P0CY1