セッション情報 一般演題

タイトル o-041:

大腸ESDの短期および長期成績

演者 山田 真也(石川県立中央病院消化器内科)
共同演者 太田 亮介(石川県立中央病院消化器内科), 竹田 康人(石川県立中央病院消化器内科), 朝日向 良朗(石川県立中央病院消化器内科), 中西 宏佳(石川県立中央病院消化器内科), 辻 国広(石川県立中央病院消化器内科), 冨永 桂(石川県立中央病院消化器内科), 稲垣 聡子(石川県立中央病院消化器内科), 吉田 尚弘(石川県立中央病院消化器内科), 辻 重継(石川県立中央病院消化器内科), 竹村 健一(石川県立中央病院消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】大腸ESDもようやく保険収載されたが、現時点では長期予後を含めた安全性・有効性は十分に実証されていない。当院の成績を長期成績も含め検討する。【方法】2002年11月~2012年12月までにESDを行い3ヶ月以上経過観察された大腸上皮性腫瘍(カルチノイドは除く)260病変を対象に一括切除率、R0切除率、偶発症率と遣残再発率・腸管温存率・全生存率に関する成績を検討した。なお、高~中分化型でSM深部浸潤1000μm未満、脈管侵襲陰性を内視鏡治療の治癒切除とした。非治癒切除例において、分割切除や病理組織学的に水平断端が陽性・不明であっても内視鏡的に切除できたと判断した例と、分割切除による深部断端不明例は経過観察とした。【成績】平均年齢66.4歳、平均腫瘍径31.6mm (7-103mm)、治療時間は61.7±54(mean±SD)分、担癌率70.8%、一括切除率90.4%、R0切除率57.7%。偶発症は術中穿孔6例2.3%、遅発性穿孔2例0.8%、後出血8例3.1%、術中出血による緊急手術を1例0.4%に認めた。術中出血による緊急手術例以外は保存的に軽快した。非R0切除と判定された110例は、分割切除が19例17.3%、側方断端陽性・不明が94例85.5%、深部断端陽性・不明が19例17.3%であった(重複あり)。外科切除すべき非治癒切除は、22例5.5%(SM深部浸潤16例6.2%、脈管侵襲陽性6例2.3%、深部断端陽性・不明5例1.9%:重複あり)であり、うち72.7%(16/22例)に追加外科切除が施行された。経過観察された238例では、観察期間30±52ヶ月(mean±SD)において転移は認めなかったが、局所遺残を2例0.8%に認めた。局所遺残に対してはいずれも追加ESDが施行され、以降の再発は認めていない。非治癒切除と判定されるが追加外科切除を希望されなかった6例(SM深部浸潤4例、脈管侵襲陽性3例、断端陽性・不明1例:重複あり)、観察期間22±33ヶ月(mean±SD)においても転移・遺残を認めなかった。腸管温存率93.5%、原病死・他病死は認めず、全生存率100%であった。【結論】大腸ESDでは、長い治療時間を要するものの高い一括切除率と局所制御率が得られた。合併症も認めたが保存的治療が可能であり転移・再発などは認めなかった。
索引用語 大腸ESD, 成績