セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル o-028:

食道癌化学療法中に可逆性後頭葉白質脳症症候群(PRES)を発症した1例

演者 齋藤 裕人(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科)
共同演者 岡本 浩一(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 二宮 致(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 丸銭 祥吾(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 渡邉 利史(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 酒井 清祥(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 古河 浩之(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 牧野 勇(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 木下 淳(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 中村 慶史(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 林 泰寛(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 井口 雅史(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 宮下 知治(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 高村 博之(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 北川 裕久(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 藤村 隆(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科), 太田 哲生(金沢大学 医学部 消化器乳腺移植再生外科)
抄録 当科では進行食道癌術前化学療法としてDCF(Docetaxel:800mg/m2, Cisplatin:60 mg/m2, 5-FU:60 mg/m2)療法を行っている。今回我々はDCF療法中に可逆性後頭葉白質脳症症候群 (Posterior Reversible Encephalopathy Syndrome)を発症した1例を経験したので報告する。症例は68歳、男性。進行食道癌にて当科紹介となった。第2コースday 7夕方から頭痛、体動時のめまい、嘔気が出現した。頭部CTを施行したところ右側頭葉から後頭葉にかけて白質が主体で皮質は比較的保たれている低吸収域を認めた。頭部MRI拡散強調画像では不均一な高信号を呈し、ADCは低下部と増加部が混在しており、可逆性後頭葉白質脳症症候群(PRES)に出血が合併した病態と診断した。化学療法の中止と対症療法により神経症状および画像所見の改善を認めた。5-FU投与により可逆性後頭葉白質脳症症候群を発症した症例は散見される。PRESの予後は速やかな診断と治療ができれば一般的に良好であり、ほとんどの例で2週間以内に改善がみられる。化学療法中の血圧上昇、電解質バランス異常が原因となるため、発症の予防に努め早期発見、早期治療を行うことが重要である。
索引用語 PRES, 5-FU