セッション情報 一般演題

タイトル o-017:

膵内副脾に生じた類表皮嚢胞の1例

演者 松永 正(福井県立病院 外科)
共同演者 前田 一也(福井県立病院 外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院 外科)
抄録 症例は39歳女性,既往歴は2年前にITPにて現在ステロイド5mg内服にてコントロール中.健診にて肝腫瘍を指摘され紹介医を受診。CT、MRIにて、肝多発血管腫と膵尾部嚢胞性腫瘤を認めたため精査目的に当院消化器内科を紹介受診された。CA19-9 655と高値を認め当院のCTでは膵尾部に2cm大の嚢胞性腫瘤を認め、壁の信号が脾臓の信号と類似することから、膵内副脾に生じた類表皮嚢胞が疑われた。増大傾向のあることとMCN、SPT、嚢胞変性した内分泌腫瘍などとの鑑別が困難であり、悪性の否定ができないことから手術適応と判断され当科紹介となった。手術は腹腔鏡下膵体尾部切除術(脾動静脈、脾温存)を施行した。手術時間は4時間10分で出血は少量であった。術後経過は良好であり第12病日に退院となった。術後病理結果は膵内副脾に生じた類表皮嚢胞であった。膵内副脾の類表皮嚢胞は40-70例程度の報告しかない極めて稀な疾患であり、ほとんどの報告において今回の症例と同様に悪性疾患を否定できず手術が施行され組織学的に確定診断されている。膵嚢胞性疾患において膵内副脾の類表皮嚢胞は稀ではあるが鑑別として念頭に置くべき疾患であると考えられ、文献的考察を含めて報告する。結語:非常に稀な膵内副脾に生じた類表皮嚢胞の1例を経験した。
索引用語 膵内副脾, 類表皮嚢胞