セッション情報 一般演題

タイトル o-046:

術中選択的血管造影とICG蛍光内視鏡により切除病変を同定し得た小腸内分泌腫瘍疑診の1例

演者 渡邉 利史(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科)
共同演者 中村 慶史(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 丸銭 祥吾(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 井口 雅史(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 二宮 致(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 北川 裕久(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 宮本 正俊(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大学付属病院 消化器・乳腺・移植再生外科), 眞田 順一郎(金沢大学付属病院 放射線科), 小坂 一斗(金沢大学付属病院 放射線科), 蒲田 敏文(金沢大学付属病院 放射線科), 鷹取 元(金沢大学付属病院 消化器内科), 加賀谷 尚史(金沢大学付属病院 消化器内科), 金子 周一(金沢大学付属病院 消化器内科)
抄録 Indocyanine green (以下ICG)蛍光法を用いた手術ナビゲーションは、乳癌のセンチネルリンパ節同定法や冠動脈バイパス手術時の血流評価法として臨床応用され、近年その有用性に関する報告が増加している。今回我々は、小腸内分泌腫瘍を疑われた微小病変に対して、術中選択的血管造影とICG蛍光内視鏡観察により切除病変を同定し得た1例を経験したため報告する。
症例は45歳女性。人間ドックで指摘された下部直腸の腫瘍(4mm大, 生検で神経内分泌腫瘍)に対して20XX年Y月根治的内視鏡的切除術を受けた後、小腸に存在する造影効果を有する8mm大の結節性病変に関して、同時性小腸神経内分泌腫瘍を疑われ当科紹介となった。経口および経肛門的小腸内視鏡検査、またカプセル内視鏡も施行したが病変を指摘し得なかった。血管造影下CT検査を行ったところ小腸憩室の存在と、結節性病変がその憩室内に存在することが確認された。病変を含めた腸管を栄養する血管が同定できたため、術中血管造影およびICG蛍光内視鏡観察によって切除範囲を同定することが可能と考え、手術を予定した。
全身麻酔導入後、血管造影用カテーテルよりICGを2.5cc(添付文書に記載されている方法で溶解したものをさらに100倍希釈)急速注入し観察した。ICG蛍光内視鏡による観察で、憩室を含めた腸管の蛍光発色と、憩室先端にICGがpoolingし発色が遷延する結節性病変が確認されたため、同憩室を責任病変と確定し切除した。切除標本の病理学的診断は異所性膵組織であった。
ICG蛍光内視鏡による観察は、微小な病変に対する手術ナビゲーションとして有用であると考えられた。
索引用語 ICG, 手術ナビゲーション