セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル o-029:

急速な進行を呈した食道癌肉腫の1切除例

演者 高井 亮(富山赤十字病院 外科)
共同演者 芝原 一繁(富山赤十字病院 外科), 辻 敏克(富山赤十字病院 外科), 棚田 安子(富山赤十字病院 外科), 羽田 匡宏(富山赤十字病院 外科), 竹原 朗(富山赤十字病院 外科), 野崎 善生(富山赤十字病院 外科), 佐々木 正寿(富山赤十字病院 外科), 前田 宜延(富山赤十字病院 病理科)
抄録 症例は71歳、男性。咽頭部違和感と固形物通過障害にて消化器内科受診。上部消化管内視鏡検査にて門歯より27cm~35cmの胸部中部食道に内腔を占拠する腫瘍性病変を認めた。生検では悪性所見は明らかではなかった。同時期に施行されたCT、MRI検査では明らかな周囲への浸潤はなく明らかなリンパ節腫大も認めなかったが、通過障害により徐々に水分摂取も不能な状態となったため当科紹介。再度CT検査を施行したところわずか1ヶ月で腫瘍は増大し、胸部気管リンパ節と胸部上部食道傍リンパ節の腫大を認めた。ご本人の希望で診断的意義を含め手術を先行する方針とした。手術は右開胸開腹食道亜全摘胸腔内胃管再建術を行った。胸部中部食道に巨大な腫瘍が存在していたが、外膜への腫瘍の露出はなく周囲への浸潤も認めなかった。術前CTの所見通り胸部気管リンパ節と胸部上部食道傍リンパ節の腫大を認め一部術中迅速に提出したところ、低分化型食道扁平上皮癌の転移の診断であった。切除標本では、茎を有するやわらかい自壊した腫瘍で、病理組織診断はいわゆるcarcinosarcomaとされる低分化なsquamous cell carcinomaであった。急速な進行を呈したいわゆる食道癌肉腫の1例を経験したので若干の文献的考察を含め報告する。
索引用語 食道癌, 癌肉腫