セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | o-047:膵癌術後、輸入脚の悪性狭窄に対する内視鏡治療の経験 |
演者 | 波佐谷 兼慶(福井県立病院 消化器内科) |
共同演者 | 有塚 敦史(福井県立病院 消化器内科), 尾崎 嘉彦(福井県立病院 消化器内科), 内藤 慶英(福井県立病院 消化器内科), 藤永 晴夫(福井県立病院 消化器内科), 林 宣明(福井県立病院 消化器内科), 青柳 裕之(福井県立病院 消化器内科), 辰巳 靖(福井県立病院 消化器内科), 伊部 直之(福井県立病院 消化器内科), 前田 一也(福井県立病院 外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院 外科) |
抄録 | 【はじめに】輸入脚症候群の治療は外科的治療が一般的であるが、近年、内視鏡治療の有用性の報告が散見される。悪性輸入脚狭窄に関しては、金属ステントが留置される場合が多いが、本例では金属ステントとプラスチックステントの併用が有用であった。同様の報告はこれまでに無く、貴重な症例と考えられ報告する。 【症例と病歴】67歳女性。平成22年に膵頭部癌に対して膵頭十二指腸切除が行われ、II型再建が行われた(IIA型)。平成24年4月に発熱にて受診。上腸間膜動脈周囲での膵癌再発に伴い、輸入脚の閉塞と拡張、胆管拡張を認め、輸入脚閉塞に伴う胆管炎と診断された。 【経過】内視鏡による閉塞解除を試みる事となったが、通常の内視鏡では狭窄部に到達できず、ダブルバルーン小腸内視鏡にて狭窄部に到達した。オーバーチューブを留置の上で金属ステント留置を考慮したが、内視鏡が抜去できず、全体が抜けてしまうためオーバーチューブ留置ができなかった。そのため狭窄部に胆道用non-covered金属ステント10mm×80mmをthrough the scopeで留置した。留置と共に大量の胆汁排出がみられ胆管拡張、胆管炎は改善し退院。しかし、約1カ月後に同様の症状で入院となり、再度ダブルバルーン小腸内視鏡にて病変部位を検査した所、金属ステントの直線化に伴い腸管の屈曲が起き輸入脚の閉塞が起こった事が判明した。金属ステント内にプラスチックチューブステントを留置する事で金属ステントにも屈曲が見られ、胆汁流出は良好となった。以降、8カ月後に永眠されるまで再閉塞は見られず経過した。 【結語】膵癌術後再発による悪性輸入脚狭窄を来した症例に内視鏡治療が有用であった1例を経験した。画像供覧の上で、文献的な考察も交えて報告する。 |
索引用語 | 輸入脚症候群, 内視鏡治療 |