セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | o-051:術前診断可能であった後腹膜傍神経節腫の一例 |
演者 | 藤田 純(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学) |
共同演者 | 藤田 純(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 上田 順彦(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 森岡 絵美(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 甲斐田 大資(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 大野 由夏子(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 富田 泰斗(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 大西 敏雄(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 野口 美樹(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 舟木 洋(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 藤田 秀人(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 木南 伸一(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 中野 泰治(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 小坂 健夫(金沢医科大学病院 一般・消化器外科学), 中川 淳(同 糖尿病・内分泌内科学), 木下 英理子(同 病院病理部) |
抄録 | 原発性後腹膜腫瘍の中では1.8%と稀である傍神経節腫を経験したので報告する。症例は80歳、女性、近医でMRI施行時に偶然腹部腫瘤を指摘され当院に紹介となった。血圧 126/68mmHg、脈拍 74回/分、腹部腫瘤触知せず。血液生化学検査では、腫瘍マーカーは正常範囲内であったが、ガストリン2800pg/mLと高値であった。血中・尿中カテコラミンは低値であった。内視鏡検査では腸管外からの圧排を認めた。腹部造影CTにて十二指腸下行部から水平脚への移行部に接する腫瘍であり、動脈相で後腹膜から血管の流入が確認出来た。MRIではT1 low、T2 highである充実性で細胞成分に富む腫瘤であった。また造影にて早期に強い造影効果が得られた。PET-CTでは、腫瘤に一致してSUV12.36とFDG集積を認めた。悪性リンパ腫も疑われ骨髄生検を施行したが正常骨髄所見であった。ガストリン高値からガストリノーマも考えられたが、ガストリノーマは通常小型で多発する腫瘤であり否定的であった。以上より、傍神経節腫と考え、外科的治療の適応と考え手術を施行した。開腹すると十二指腸水平脚尾側に5cm大の腫瘤の表面が露出していた。腫瘍背側から、多数の動静脈の流入出があり、少しずつ結紮切離し、十二指腸と腹部大動脈に線維性の癒着を認めたが、いずれも剥離可能であった。術中、血圧の変動は認めなかった。摘出した腫瘤は5.2×4.0×4.2cm大の被膜を有する充実性腫瘤であり、内部には石灰化を認めた。病理組織診から後腹膜に発生した傍神経節腫と診断した。術後3ヶ月の現在、再発徴候なく、外来経過観察中である。今回、術前診断可能であった後腹膜傍神経節腫の一例を経験したので報告する。 |
索引用語 | 傍神経節腫, 後腹膜腫瘍 |