セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル o-03:

当院におけるC型慢性肝炎に対するTelaprevir(TVR)/Peginterferon-alfa2b(Peg-IFN)/Ribavirin(RBV)3剤併用療法の現状

演者 須田 烈史(富山県立中央病院 消化器内科)
共同演者 織田 典明(富山県立中央病院 消化器内科), 米島 淳(富山県立中央病院 消化器内科), 原 泰将(富山県立中央病院 消化器内科), 在原 文教(富山県立中央病院 消化器内科), 平井 聡(富山県立中央病院 消化器内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院 消化器内科), 松田 耕一郎(富山県立中央病院 消化器内科), 松田 充(富山県立中央病院 消化器内科), 酒井 明人(富山県立中央病院 消化器内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院 消化器内科)
抄録 【目的】2011年11月にプロテアーゼ阻害薬であるTVRが保険認可され,難治性C型慢性肝炎への治療効果が期待される一方,強い有害事象が懸念されている.今回,当院における3剤併用療法の現状について報告する.【方法】対象は2012年2月より,当院にて3剤併用療法を導入した1型高ウイルス量の16症例.男性9例,女性7例で,平均年齢は61.3歳,65歳以上が5例含まれていた.治療歴は初回治療4例,前回再燃11例,前回無効1例であった.治療効果,有害事象について臨床データおよびIL-28,ITPA SNPとの関連も検討した.【成績】腎機能障害にて治療開始後早期中止となった1例を除き,薬剤減量や中止期間はあったものの94%(15/16例)で治療継続可能であった.TVR開始量は,2250 mgが6例,1500mgが10例で,2250mgを12週間完遂投与できたのは2例であった.ウイルス学的効果として,RVRは93%(14/15例)と早期にRNAは陰性化,ETRは100%(12/12例),現在のところSVR12は100%(9/9例),SVR24は100%(4/4例)である.有害事象としては,高尿酸血症,腎機能障害および貧血などを認めた.高尿酸血症は,発症後にアロプリノールなどの抗尿酸剤を投与した7例は平均+3.8mg/dlまで上昇したが,事前投与を行った9例では平均+1.5 mg /dlの上昇にとどまった.腎機能障害は開始時Cr値より全体で5例が+0.5mg/dl以上上昇し,そのうち4例は抗尿酸剤を発症後に投与していた.腎機能障害も抗尿酸剤を発症後に投与した7例は平均+0.7mg/dlまで上昇したが,事前に投与した9例では平均+0.3mg/dlにとどまった.貧血に関しては,ITPAメジャー症例は前回治療時に貧血進行がみられたためRBV減量開始が多く,マイナー症例と比べRBV総投与量も少ない傾向であった.メジャー症例とマイナー症例の間に大きな差は認めなかったが,メジャー1例では治療継続中に貧血進行したため輸血をした.【結語】高齢,前回治療貧血症例ではTVR1500mg開始,抗尿酸剤事前投与にて治療継続可能であり,治療成績も期待できると考えられた.
索引用語 C型慢性肝炎, テラプレビル