セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | o-004:非アルコール性脂肪性肝炎との鑑別を要した高齢発症Wilson病の一例 |
演者 | 清島 淳(金沢大学付属病院 消化器内科) |
共同演者 | 北原 征明(金沢大学付属病院 消化器内科), 深川 浩史(金沢大学付属病院 消化器内科), 石田 晃介(金沢大学付属病院 消化器内科), 木田 明彦(金沢大学付属病院 消化器内科), 藤原 秀(金沢大学付属病院 消化器内科), 熊谷 将史(金沢大学付属病院 消化器内科), 丹尾 幸樹(金沢大学付属病院 消化器内科), 大石 尚毅(金沢大学付属病院 消化器内科), 鷹取 元(金沢大学付属病院 消化器内科), 島上 哲朗(金沢大学付属病院 消化器内科), 北村 和哉(金沢大学付属病院 消化器内科), 荒井 邦明(金沢大学付属病院 消化器内科), 山下 太郎(金沢大学付属病院 消化器内科), 加賀谷 尚史(金沢大学付属病院 消化器内科), 酒井 佳夫(金沢大学付属病院 消化器内科), 山下 竜也(金沢大学付属病院 消化器内科), 水腰 英四郎(金沢大学付属病院 消化器内科), 本多 政夫(金沢大学付属病院 消化器内科), 北村 星子(金沢大学付属病院 病理部), 金子 周一(金沢大学付属病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】62歳女性.2010年に血小板減少と糖尿病を指摘され経過観察されていた.2012年7月,血小板が5万台に低下しT-Bil 2.9 mg/dlの黄疸,胆道系酵素の上昇を認め,精査目的に当科紹介となった.【経過】腹部画像上,脾腫と肝の高度変形および脂肪沈着を認めた.肝障害の原因として,肝炎ウィルスマーカーはHBV,HCVのいずれも陰性,飲酒歴は無し,自己抗体は抗核抗体,抗ミトコンドリア抗体はいずれも陰性であり,肥満や糖尿病の合併から非アルコール性脂肪性肝炎が疑われた.診断目的に施行した肝生検では,線維性架橋形成や小型の再生結節形成が見られる前肝硬変であり,ロダニン染色で肝細胞に銅の沈着が認められた.身体所見上,角膜輪(Kayser-Fleicher輪)や精神神経症状はなく,腎障害や頭部MRIにおける大脳基底核の変性も認めなかったが,血清セルロプラスミン低値,血清銅低値,尿中銅排泄高値でありWilson病と診断した.低銅食療法,D-ペニシラミンによる治療を開始し,現在経過観察中である.【結語】非アルコール性脂肪性肝炎との鑑別に苦渋した高齢発症のWilson病の一例を経験した.Wilson病は,肝変形や脂肪肝など多彩な像を呈し,鑑別が困難な場合がある.肝炎ウィルスマーカー陰性,飲酒歴が無く,背景に糖尿病をもつ患者は,非アルコール性脂肪性肝炎だけではなく,Wilson病も念頭に鑑別する必要がある. |
索引用語 | Wilson病, 肝硬変 |