セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | o-037:難治性潰瘍性大腸炎におけるタクロリムスの有用性 |
演者 | 織田 典明(富山県立中央病院 内科) |
共同演者 | 松田 耕一郎(富山県立中央病院 内科), 須田 烈史(富山県立中央病院 内科), 米島 淳(富山県立中央病院 内科), 原 泰将(富山県立中央病院 内科), 在原 文教(富山県立中央病院 内科), 平井 聡(富山県立中央病院 内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院 内科), 松田 充(富山県立中央病院 内科), 酒井 明人(富山県立中央病院 内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院 内科) |
抄録 | 【目的】難治性潰瘍性大腸炎UCにおいて、2009年からタクロリムスTACが寛解導入に使用できるようになったが、選択基準は確立されていない。当院において難治性UCにTACを使用した15症例から、TACの有用性について考察した。【方法】上記15症例について、寛解導入率・有効率や長期使用例での寛解維持率、副作用、TAC無効後の治療法について検討した。活動性はLichtiger CAIを用いて評価し、寛解は4点以下、有効は3点以上スコアが低下と定義した。【成績】対象の背景は男女比7:8、平均導入年齢43歳(19-81歳)、平均罹患年数3年(1ヶ月-13年)、全大腸炎型:左側大腸炎型8:7、ステロイド抵抗性:依存性:両者3:7:4(1例は拒否)、導入時平均Lichtiger CAI 11点(7-16点)。TAC導入時の併用治療は、5-ASA 93%(14例)、ステロイド93%(14例)、AZA 40%(6例)、CAP 46%(7例)、IFX 0%。TAC平均初回投与量は0.05-0.1mg/kg/dayに基づき5.3mg/day(2-6mg/day)。寛解導入が期待できる高トラフ値を目標に増量すると、達成症例は7例で平均投与量は7.2mg/dayであった。投与開始4週後の寛解導入率および有効率は40%(6/15例)、66%(10/15例)。高トラフを達成した7症例ではそれぞれ71%(5/7例)、100%(7/7例)と高かった。副作用による中止例は脳腫瘍、肺真菌感染、頭痛、下肢脱力、脱毛各1例の33%(5/15例)に生じた。中止例を除いた4-12週の寛解・有効維持率は50%(5/10例)、12週以降では30%(3/10例)であった。最長24週まで寛解・有効を維持している症例もあり、維持療法にも有効な可能性が示唆された。最終的に再燃した7例ではCAP、IFX、AZA、ステロイドを使用し、5例で再寛解・有効を得た。【結論】ステロイド抵抗性、依存性などの難治性UCにおけるTACは寛解導入および寛解維持に比較的安全に使用することができると思われた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, タクロリムス |