セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
---|---|
タイトル | O-002:保存的加療にて軽快した十二指腸憩室穿孔の1例 |
演者 | 江原 悠(福井県立病院) |
共同演者 | 平能 康充(福井県立病院), 石橋 玲子(福井県立病院), 西田 洋児(福井県立病院), 松永 正(福井県立病院), 石山 泰寛(福井県立病院), 浅海 吉傑(福井県立病院), 前田 一也(福井県立病院), 宮永 太門(福井県立病院), 道傳 研司(福井県立病院), 服部 昌和(福井県立病院), 橋爪 泰夫(福井県立病院) |
抄録 | 【はじめに】十二指腸憩室穿孔は極めてまれな病態であり,特異的な所見にも乏しいことから術前診断は困難とされ,治療の遅れが不良な予後をもたらすとされる.今回,比較的早期に診断し保存的加療にて良好な結果を得た1例を経験したので報告する.【症例】50歳,女性.【現病歴】2013年1月に鎮痛薬にて軽快しない心窩部痛を主訴に当院を受診した.身体所見上,心窩部に軽度の圧痛を認めたが反跳痛や筋性防御を認めず.また腹部超音波検査においても特記すべき異常を認めなかったため,抗生物質等を処方され帰宅した.同日,腹痛の増悪を認めたため当院を再診.腹部造影CT検査を施行にて,十二指腸下行脚周囲に遊離ガスを伴う膿瘍を指摘された.以前の胃がん検診にて同部位に十二指腸憩室を認めていたことから,十二指腸憩室穿孔と診断し緊急入院となった.【入院後経過】穿孔部への外科的アプローチの困難性と膿瘍が限局しており全身状態が安定していたことから,輸液・抗生物質等の投与を含めた保存的加療を開始した.保存的加療にて症状は徐々に軽快し,2週間後に施行した腹部CT検査では膿瘍の縮小および被包化が確認された.経口摂取を再開し第25日病日に退院となった.現在外来にて経過観察中であるが症状の再燃は認めていない.【まとめ】保存的加療にて良好な結果を得た十二指腸憩室穿孔の1例を経験した.本症に対する治療の第一選択は憩室切除とドレナージを含めた手術療法であり,非手術例では高率に死亡するという報告も見られるが,自験例のように保存的に治療可能な症例もあり,CT検査や臨床症状を考慮し適切な治療法を選択すべきと考える. |
索引用語 | 十二指腸憩室, 穿孔 |