セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル O-005:

化学放射線療法にて治療した肛門管癌の2症例

演者 加納 洋(富山県立中央病院 内科(消化器))
共同演者 堀田 洋介(富山県立中央病院 内科(消化器)), 織田 典明(富山県立中央病院 内科(消化器)), 須田 烈史(富山県立中央病院 内科(消化器)), 米島 淳(富山県立中央病院 内科(消化器)), 原 泰将(富山県立中央病院 内科(消化器)), 在原 文教(富山県立中央病院 内科(消化器)), 松田 耕一郎(富山県立中央病院 内科(消化器)), 松田 充(富山県立中央病院 内科(消化器)), 酒井 明人(富山県立中央病院 内科(消化器)), 野田 八嗣(富山県立中央病院 内科(消化器))
抄録 【症例1】65歳女性【主訴】肛門部痛【現病歴】2ヶ月前より肛門痛を自覚していた。子宮癌検診2次検査にて肛門部に腫瘍性病変を指摘され近医受診。TCFにて肛門縁直上に右壁~前壁に2/3周性の易出血性腫瘍認め、病理検査で扁平上皮癌が検出された。また画像所見において両側鼡径リンパ節への転移が指摘され、肛門管癌(T4N3M0 c-Stage3b)と診断された。本人の希望により治療目的に当院紹介受診。5FU+MMCを計2コース、放射線total 45Gyにて治療を行った。治療完遂後のPET-CTにてCRを確認し、TCFにてもCRと診断した。現在、治療後3年経過しているが、再発や新規病変を認めていない。【症例2】57歳女性【主訴】便潜血陽性【現病歴】検診にて便潜血陽性を指摘され、近医受診。TCFにて多発大腸ポリープと直腸粘膜下隆起性病変を指摘され、精査目的にて当院消化器内科受診。直腸病変のEUS-FNAにて扁平上皮癌が検出され、PET-CTにて肛門部腫瘤と右鼡径リンパ節に異常集積を認め、肛門管癌(T3N2M0 c-Stage3b)と診断。5FU+MMCを計2コース・放射線total 54Gyにて治療を行った。9月中旬、CT・TCFにて治療評価予定。【考察】肛門管癌の組織型は約14%が扁平上皮癌であると報告されている。組織型が扁平上皮癌である場合は、手術療法と比較して放射線化学療法の5年生存率、局所再発率が同等の成績を得ることが示されており、現在では放射線化学療法が中心となっている。今回比較的希な肛門管癌の2症例の治療を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肛門管癌, 化学放射線療法