セッション情報 一般演題

タイトル O-015:

門脈ガス血症の2例

演者 大島 正寛(医療法人社団中央会 金沢有松病院 外科)
共同演者 高畠 一郎(医療法人社団中央会 金沢有松病院 外科), 申 寿東(医療法人社団中央会 金沢有松病院 外科), 吉田 千尋(医療法人社団中央会 金沢有松病院 外科)
抄録 症例1は75歳男性、6時間前からの腹痛で来院した。CTにて回腸の一部に造影不良を認め、同部位には広範な拡張、壁内ガスを伴い、さらに門脈ガス血症を呈していた。小腸壊死に伴う門脈ガス血症と診断し、緊急手術にて壊死した回腸を切除した。術後経過は良好で、第20病日に退院した。症例2は96歳女性、2時間前からの腹痛と嘔吐で救急搬送された。CTで胸腹水とともに大量の門脈ガス血症を呈していたが、腸管壊死の所見には乏しかった。高齢であり全身状態も悪化しており保存加療としたが、翌日のCT検査では門脈内ガスはほぼ消失しており、その後急速に症状改善し退院となった。門脈ガス血症は腸管壊死などの重篤な疾患に伴って門脈内にガスを認める比較的希な病態で、予後不良の徴候とされている。腸管壊死を伴う門脈ガス血症では致死率60%という報告もある一方で、非壊死症例では15.3%と比較的低くなるとの報告もある。今回我々は外科手術と保存加療で軽快した門脈ガス血症の2症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 門脈ガス血症, 腸管壊死