セッション情報 一般演題

タイトル O-024:

直腸癌を合併した完全直腸脱に対し,腹腔鏡下Hartmann手術を施行した一例

演者 山本 大輔(石川県立中央病院 消化器外科)
共同演者 小竹  優範(石川県立中央病院 消化器外科), 佐藤 礼子(石川県立中央病院 消化器外科), 奥出 輝夫(石川県立中央病院 消化器外科), 北村 祥貴(石川県立中央病院 消化器外科), 森山 秀樹(石川県立中央病院 消化器外科), 稲木 紀幸(石川県立中央病院 消化器外科), 黒川 勝(石川県立中央病院 消化器外科), 伴登 宏行(石川県立中央病院 消化器外科), 山田 哲司(石川県立中央病院 消化器外科)
抄録 症例は81歳女性.臍周囲の痛み,肛門出血を主訴に2012年6月に当院を受診した.精査の結果,肛門より約10cm脱出した直腸脱を認め,脱出腸管先端部に周囲に浅いびらんを有する不整な1型腫瘍を認めた.生検にて中分化腺癌と診断した.根治性と術後の肛門機能を考慮し,腹腔鏡下Hartmann手術を施行した.腹腔内から観察しながら,脱出腸管を安全に還納し,根治手術が可能であった.病理組織学的結果は粘液癌成分を伴う腺癌であり,SS,ly1,v0,N0であった.術後3日目より食事を開始し,経過良好で術後29日目に退院となった. 直腸癌を合併した直腸脱は極めてまれであり,本邦での報告例は非常に少ない.高齢者に多いため全身状態と根治性のバランスを十分考慮した術式の選択が重要である.腹会陰式直腸切断術が多くの症例で行われているが侵襲の高い手術となるため,進行癌であっても高齢を理由に局所切除の症例も報告されている.今回腹腔鏡を用いて良視野でかつ低侵襲のHartmann手術が可能であり,有用であったので報告する.
索引用語 直腸脱, 直腸癌