セッション情報 一般演題

タイトル O-025:

タクロリムスの継続投与にて寛解している潰瘍性大腸炎の1例

演者 坂下 俊樹(KKR北陸病院)
共同演者 増永 高晴(KKR北陸病院), 篠崎 公秀(KKR北陸病院)
抄録 症例は54歳、女性。主訴は血便。現病歴は1988年3月発症の全結腸炎型潰瘍性大腸炎.の方。サラゾスルファピリジン経口薬、メサラジン(ペンタサ、アサコール)、アザチオプリン等投与にて治療となるも、副作用のためそれぞれ投与中止となっている。2009年9月炎症増悪し入院。絶食、補液、プレドニゾロン60mg/日開始にて治療を実施するも, 寛解せず。その後、白血球球除去療法を実施し徐々に改善した。その後も再燃、を繰り返し、白血球球除去療法を実施としていた。2012年9月から再燃し プレドニゾロン60mg/日開始、その後白血球球除去療法を実施するも十分な効果が得られなかったため2012年12月タクロリムス開始した。血中濃度 5-15ng/mlで維持した。その後腹痛、粘血便は軽快し退院となる。以降外来にてタクロリムス内服を漸減していったが2か月後再燃、タクロリムスを増量投与し寛解、患者の同意を得たうえで現在タクロリムス継続中である。現在腎機能障害などの副作用は認めていない。  タクロリムスは本邦で開発された経口のカルシニュリン阻害剤であり、保険適応では寛解導入剤として位置づけられており開始後3か月までの投与と規定されている。しかし本症例のようにステロイド抵抗性であって副作用により使用できる薬剤も限定されていて、白血球球除去療法行っても寛解導入困難な症例もあり、今後のタクロリムス使用方法に関して検討が必要であると考えられ、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, タクロリムス