セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-029:

無症状で発見され、画像所見から細胆管細胞癌が疑われた一例

演者 谷川 明希子(福井赤十字病院 消化器科)
共同演者 馬場 萌加(福井赤十字病院 消化器科), 鳥居 充志(福井赤十字病院 消化器科), 原 季衣(福井赤十字病院 消化器科), 西山 悟(福井赤十字病院 消化器科), 三原 美香(福井赤十字病院 消化器科), 松永 心祐(福井赤十字病院 消化器科), 里見 聡子(福井赤十字病院 消化器科), 道上 学(福井赤十字病院 消化器科), 山崎 幸直(福井赤十字病院 消化器科)
抄録 【症例】70才代 女性【主訴】特になし【現病歴】検診での胸部異常陰影で当院呼吸器内科受診した。その際の胸部CTで肝門部に腫瘤を指摘され、精査目的に当科紹介受診となった。【既往歴】大腿骨頸部骨折【検査所見】採血:WBC 10400/μl、Hb 13.8 g/dl、Plt 19.2×104/μl、Na 143 mEq/l、K 4.1 mEq/l、Cl 107 mEq/l、BUN 10.5 mg/dl、Cr 0.63 mg/dl、AST 43 IU/L、ALT 31 IU/L、AlP 329 IU/L、T-bil 1.04 mg/dl、D-bil 0.29 mg/dl、I-bil 0.75 mg/dl、γ-GTP 223 IU/L、TP 7.8 g/dl,Alb 4.3 g/dl、PT活性 85.8%、HPT 94.4%腹部造影CT:肝門部を中心に境界不明瞭で内部不均一な腫瘤を認める。【臨床経過】採血ではCEA、CA19-9、AFP、PIVKA、SIL-2Rの上昇は認めなかったが、肝門部の腫瘤に関しては腹部CT画像から悪性腫瘍の可能性が第一に考えられた。腹部超音波検査では肝門部に長径8cmの低エコーで内部等エコーの血流に乏しい腫瘤を認めた。腹部造影MRIでは肝門部に8cmのT1低信号、T2やや高信号、拡散強調像で高信号の腫瘤あり、辺縁は比較的早期濃染し内部は染まりが悪く、内部を通過する管腔構造は比較的保たれていた。以上の画像所見より細胆管細胞癌が疑われ、組織診断目的にERCPを行ったが、胆管直接造影では胆管への腫瘍浸潤の所見は認めなかったため、細胞診は施行せず確定診断目的に経皮的肝腫瘍生検を施行した。腫瘍生検では細胆管細胞癌の確定した所見は得られなかったが胆管細胞癌の確定診断は得られたため、現在GC療法を行っている。【結語】病理学的には細胆管細胞癌の確定診断には至らなかったが、画像所見上細胆管細胞癌が疑われた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 細胆管細胞癌, 胆管細胞癌