セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル O-035:

感染性肝嚢胞の一例

演者 野田 昌生(福井県済生会病院 内科)
共同演者 真田 拓(福井県済生会病院 内科), 熊井 達男(福井県済生会病院 内科), 上田 晃之(福井県済生会病院 内科), 松田 尚登(福井県済生会病院 内科), 新 浩一(福井県済生会病院 内科), 渡邊 弘之(福井県済生会病院 内科), 野ツ俣 和夫(福井県済生会病院 内科), 登谷 大修(福井県済生会病院 内科), 田中 延善(福井県済生会病院 内科), 宮山 士朗(福井県済生会病院 放射線科)
抄録 症例:77歳・男性。1996年に脳出血を発症した際に、C型慢性肝炎・肝硬変と診断され、以来当院に通院中。2004年7月、CTで肝S6の嚢胞の破裂を偶然に指摘。その後増大を認めたため、2005年7月に嚢胞に対しアブレーションを施行した。また、2010年5月には総胆管結石に対する内視鏡的切石術、2012年6月に肝細胞癌に対し肝動脈化学塞栓術を施行している。2013年5月と6月に不明熱で入院したが、抗菌薬にて加療し軽快退院となった。CTで総胆管結石を認めたため、胆管炎の可能性を考え、9月に内視鏡的切石術を予定していたが、8月19日に38度台の発熱を認め当院受診。精査加療目的に入院となった。入院時身体所見では発熱以外に腹部も含め特に所見は認めず、検査所見ではCRP3.5mg/dlと軽度の上昇以外に肝胆道系酵素の上昇などは認めなかった。CTにて、以前から指摘されている肝右葉の嚢胞の増大、壁肥厚及び周囲脂肪織濃度の上昇を認めた。総胆管結石は以前と同様に認められたが、胆管拡張や肝実質の染まりむらなどの胆管炎の所見は認めなかったことより、原因として感染性肝嚢胞を疑った。入院後、まずSBT/CPZ(2g/day)にて加療を開始したが解熱せず、CRPは18.48mg/dlと上昇を認めたため、入院第4病日よりMEPM(3g/day)に変更した。入院第7病日からは免疫グロブリン製剤も投与したが、発熱は持続しCRPは20.84 mg/dlと更に上昇したため、入院第10病日にUSガイド下に経皮経肝嚢胞ドレナージを施行した。吸引された嚢胞液は黄褐色・膿性で、培養の結果Enterococcusが検出された。ドレナージ後、発熱・CRPは改善傾向を認め、肝嚢胞は縮小した。入院第30病日に5%EOIにて嚢胞アブレーションを行いドレーンを抜去した。肝嚢胞は肝占拠性病変の中で最も頻度の高い疾患であり、通常無症状に経過し、臨床的に問題となることは少ないが、巨大なものでは周囲への圧迫により腹痛など様々な症状を呈する。まれに感染症や出血をきたし治療を要するが、感染例はその頻度・報告が比較的少ない。今回我々は、経皮経肝嚢胞ドレナージが有効であった感染性肝嚢胞の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝嚢胞, 治療