セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | O-039:術前放射線化学療法により病理学的完全寛解を得られた直腸癌の一手術例 |
演者 | 奥出 輝夫(石川県立中央病院 消化器外科) |
共同演者 | 伴登 宏行(石川県立中央病院 消化器外科), 佐藤 礼子(石川県立中央病院 消化器外科), 北村 祥貴(石川県立中央病院 消化器外科), 森山 秀樹(石川県立中央病院 消化器外科), 小竹 優範(石川県立中央病院 消化器外科), 稲木 紀幸(石川県立中央病院 消化器外科), 黒川 勝(石川県立中央病院 消化器外科), 山田 哲司(石川県立中央病院 消化器外科) |
抄録 | 症例は62歳の男性.下血を主訴に近医受診し,精査にて下部直腸癌と診断され,当科紹介となった.臨床病期は3a(cAN1H0P0M0). S-1併用術前放射線化学療法を施行したところ,原発巣は内視鏡上・CT上,著明な縮小を認めた.またCT上,腫大リンパ節の縮小を認めた.腹腔鏡補助下直腸低位前方切除(内肛門括約筋切除を伴う),両側側方リンパ節郭清,回腸瘻造設術施行した.病理学的所見では下部直腸に陥凹部をみとめたが,周囲には線維化像・粘液貯留を認めるのみで腫瘍細胞は認めず,またリンパ節にも腫瘍細胞は認めなかった.化学療法の効果はgrade3で病理学的完全寛解となった.近年,切除不能局所進行大腸癌に対して,根治性の向上・down stagingを目的に術前化学療法が行われている.さらに下部直腸癌においては,腫瘍縮小によってmarginの確保を図り,肛門機能温存手術を可能にすることが期待される.しかし,大腸癌における術前化学療法はレジメンの選択・放射線療法併用の有無などに関して一定の見解がないのが現状であり,エビデンスの構築が待たれる.局所進行下部直腸癌に対して術前放射線化学療法を施行し,安全に肛門温存術を施行し得,病理学的完全寛解を得られた症例を経験した. |
索引用語 | 大腸癌, 術前化学療法 |