セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-040:食道癌化学療法による口内炎発症予防におけるOral cryotherapyの有用性 |
演者 | 岡本 浩一(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科) |
共同演者 | 二宮 致(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 竹中 哲(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 丸銭 祥吾(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 斎藤 裕人(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 渡邉 利史(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 中沼 伸一(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 木下 淳(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 牧野 勇(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 中村 慶史(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 林 泰寛(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 井口 雅史(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 北川 裕久(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大学 消化器・乳腺・移植再生外科) |
抄録 | 【背景】現在進行食道癌症例に対する化学療法において、JCOG9907試験の結果、術前FP療法の有用性が示され、一般的に行われている。しかし、奏効率は37.8%と十分でなく、さらなる腫瘍制御向上のためにDocetaxel(DTX)を上乗せしたDCF療法が最近導入される施設が増加している。しかし、そのさまざまな有害事象の頻度と重症度から治療中の全身状態のメンテナンスには難渋するケースが多くみられる。一方、これまで乳癌や卵巣癌化学療法において、脱毛や手足症候群に対するcool capやfrozen gloveなどの冷却療法に関する報告が見られるようになり、一部臨床試験に取り組んでいる施設も見られる。【目的】食道癌化学療法における口内炎予防におけるOral cryotherapy(OC)の有用性を明らかにする。【方法】当科では、cStageII以上の進行食道癌症例に対して、2008年以降FP療法(5-FU 800mg/m2+CDDP 80mg/m2、2コース)を行っており、2012年以降はcStageIII以上の症例に対してはDCF療法(5-FU 800mg/m2+CDDP 60mg/m2+DTX 60mg/m2、2コース)を施行している。OCは口内を冷却することで口腔粘膜への抗癌剤分布を抑制し、口内炎の発症を予防すると考えられ、DCF療法のDTX投与の10分前よりDTX投与終了時まで氷塊を口に含み続けることを現在ルーチン化して行っている。化学療法による口内炎発生の有無につきretrospectiveに比較検討した。【結果】当科において進行食道扁平上皮癌に対して化学療法を施行した78例(FP/DCF=60/18例)における口内炎発生率を検討した。2013年2月よりOCの取り組みを開始し、DCF療法群の5例に対して行った。口内炎はFP24例(40%)、DCF10例(55.6%)に生じており、DCF療法で多い傾向にあった(p=0.243)。DCF療法症例において、OCを行った5例では口内炎の発生は見られず、OC未施行例13例のうち10例(76.9%)例に口内炎が見られており、OC症例において有意に発生は低率であった(p=0.007)。【結論】OCは食道癌化学療法における口内炎発症予防に有用である可能性が示唆された。 |
索引用語 | 化学療法, 有害事象 |