セッション情報 一般演題

タイトル O-046:

Crohn病に2型自己免疫性膵炎を合併したと考えられる一例

演者 友影 美貴(公立松任石川中央病院)
共同演者 西谷 雅樹(公立松任石川中央病院), 高畠 央(公立松任石川中央病院), 田中 章浩(公立松任石川中央病院), 浅井 純(公立松任石川中央病院), 卜部 健(公立松任石川中央病院)
抄録 <題名>Crohn病に2型自己免疫性膵炎を合併したと考えられる一例 公立松任石川中央病院 消化器内科1、病理2 友影 美貴1、西谷 雅樹1、高畠 央1、田中 章浩1、浅井 純1、卜部 健1 今村 好章2 【症例】18歳、男性。 【主訴】腹痛、肛門部痛、発熱。【既往歴】特記すべきものなし 【現病歴】2012年8月肛門部痛を認めたため近医を受診した。痔瘻を指摘され、S状結腸内視鏡検査により直腸にアフタを認めたため炎症性腸疾患が疑われた。しかし確定診断にはいたらず、症状は自然に軽快したため経過観察されていた。2013年6月1日より肛門部痛の持続、発熱、腹痛の出現を認め、同病院を受診した。炎症性腸疾患の可能性が疑われ、6月3日精査・加療目的に当院へ紹介受診となった。【経過】消化管精査目的に施行した上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査で胃、十二指腸、大腸に多発するびらんを認めた。また、小腸カプセル内視鏡検査、小腸内視鏡検査で回腸に縦走傾向を認める潰瘍を確認した。下痢、血便、下血などは認めていないものの、痔瘻、消化管の広範囲に多発するびらん、胃の竹の節状外観を認めることからCrohn病と診断した。 入院時に施行した採血では、膵由来アミラーゼの上昇を伴い、腹部CTでソーセージ様の膵腫大、膵周囲の腹水貯留を認め、急性膵炎と診断した。ウリナスタチン、CPZ/SBT 1 g 2回/日を開始し、膵炎は速やかに改善が認められた。急性膵炎の原因としてはアルコール、胆石、高TG血症は否定的であった。MRCPを施行したところ膵胆管合流異常はなく、主膵管の狭細化を認めた。ソーセージ様膵腫大、主膵管の狭細化などの所見から自己免疫性膵炎(AIP)が疑われた。また、IgG4は27.1と低値であり、炎症性腸疾患を合併していることから2型AIPと考えられた。【結語】Crohn病に2型AIPを合併したと考えられる一例を経験した。
索引用語 Crohn病, 2型自己免疫性膵炎