セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル O-047:

HIV陽性B型急性肝炎の一例

演者 横山 敏啓(富山県立中央病院 消化器内科)
共同演者 織田 典明(富山県立中央病院 消化器内科), 須田 烈史(富山県立中央病院 消化器内科), 米島 淳(富山県立中央病院 消化器内科), 原 泰将(富山県立中央病院 消化器内科), 在原 文教(富山県立中央病院 消化器内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院 消化器内科), 松田 耕一郎(富山県立中央病院 消化器内科), 松田 充(富山県立中央病院 消化器内科), 酒井 明人(富山県立中央病院 消化器内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院 消化器内科)
抄録 【症例】30代男性。2013年1月に発熱、リンパ節腫脹、肝障害でA病院入院。退院後外来経過観察中、4月に黄疸伴う肝障害でA病院緊急入院、ALT 2864, AST 1126, ALP 713, rGTP 238, T.Bil 5.4と高度肝障害とPT 40%と肝予備能低下し劇症化懸念され当院転院。【経過】転院後血液所見ではALT 1063, AST 200, ALP 488, rGTP 151, T.Bil 2.7, PT 70%と肝障害は軽快していた。急性肝障害の原因検索としてIgM-HA(-), HBsAg(-), HBsAb(+), IgM-HBc 28.6(+), HCV-Ab(-), HCV RNA(-), IgM-CMV(-), ANA x40, AMA-M2(+), IgG 2429, IgM 260とB型肝炎ウイルスによる急性肝炎と考えられた。感染ルートに関してはA病院採血でTP抗体陽性であり詳細な問診を行うと梅毒既往、バイセクシャルが確認され、同意の元HIV感染を評価するとHIV抗体(+), ウエスタンブロット(+), HIV-1RT-PCR 6.3x10000copy/mLであった。HBV genotypeは判定保留でtypeAであるか確認できなかったが、既にALTのピークを迎え、HBs抗原陰性、HBs抗体陽性であることから核酸アナログは使用せず経過観察を行った。後日判明したHBV DNA量は2.1 Logと低値であった。肝生検では急性肝炎に矛盾しない所見であった。外来経過観察ではHBV DNA量は感度以下となりB型肝炎は慢性化しなかった。HIVに関しては抗ウイルス療法を開始した。【考察】重症B型急性肝炎例では時に核酸アナログ使用を考慮する必要があるが、Genotypeを問わずSTDである可能性が高いため、HIV感染の確認は不適切な薬剤投与を避けるために重要である。
索引用語 B型急性肝炎, HIV