セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-049:経過中にCA19-9の上昇と腺癌成分の出現を認めた胆嚢腺内分泌細胞癌の1例 |
演者 | 大坪 公士郎(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター) |
共同演者 | 谷本 梓(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 小谷 浩(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 石川 大輔(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 南條 成輝(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 竹内 伸司(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 衣斐 寛倫(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 山田 忠明(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 毛利 久継(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 山下 要(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 安本 和生(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター), 池田 博子(金沢大学附属病院 病理部), 竹村 健一(石川県立中央病院 消化器内科), 矢野 聖二(金沢大学附属病院 がん高度先進治療センター) |
抄録 | 症例は35歳、女性。20XX年6月胆嚢腫瘍 (多発リンパ節転移、肝転移を伴う) のため、前医入院。経皮的リンパ節生検にて内分泌細胞癌と診断された。1次治療としてCDDP/CPT-11療法を2コース施行後に腫瘍は著明に縮小したが、4コース施行後にリンパ節転移の増大を認めた。同年11月当院外科紹介となったが、根治的切除不能と判断され、当科紹介。2次治療としてAmrubicin療法を2コース施行するも、腫瘍は増大し、腹水の出現もみられた。20XX+1年1月より3次治療としてCBDCA/VP-16療法、4次治療としてNogitecan療法を施行するも、いずれもPDであった。なお、1月中旬閉塞性黄疸を合併したため、ERCP下に胆管ステント留置を行ったが、膵胆管合流異常の合併を認めた。ここで、前医にて正常であったCA19-9は著明に上昇し (20XX+1年3月上旬CA19-9 10,610 IU/mL)、20XX+1年2月腹水細胞診にて腺癌が検出されたため、3月上旬より5次治療としてGEM/S-1療法を開始した。その後、腹水は比較的コントロールされ、4月上旬にはCA19-9は2,753 IU/mLまで低下した。しかし、4月下旬のCTでは腫瘍増大を認め、5月上旬誤嚥性肺炎のため永眠した。胆嚢原発内分泌細胞癌の大半は腺癌成分を含む腺内分泌細胞癌であり、腺癌成分を含まない内分泌細胞癌の頻度は低いとされている。本症例では、治療前に施行したリンパ節生検から内分泌細胞癌と診断されたため、肺小細胞癌に準じて治療を行い、一時的に腫瘍縮小を認めた。しかし、腫瘍はその後再増大し、CA19-9の著明な上昇とともに腹水中から腺癌成分が検出されたため、通常の胆嚢癌に準じた治療法に変更した。一般に、胆嚢腺内分泌細胞癌の組織発生に関しては、先行して発生した腺癌成分から内分泌細胞癌へ分化したと考えられている。本症例は胆嚢腺内分泌細胞癌の発生を考える上で大変示唆に富む症例と考えられた。 |
索引用語 | 胆嚢癌, 腺内分泌細胞癌 |