セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-056:

肝癌に対するバイポーラ方式RFAの使用経験

演者 清島 淳(金沢大学付属病院 消化器内科)
共同演者 砂子阪 肇(金沢大学付属病院 消化器内科), 深川 浩史(金沢大学付属病院 消化器内科), 宮澤 正樹(金沢大学付属病院 消化器内科), 藤原 秀(金沢大学付属病院 消化器内科), 玉井 利克(金沢大学付属病院 消化器内科), 丹尾 幸樹(金沢大学付属病院 消化器内科), 北原 征明(金沢大学付属病院 消化器内科), 飯田 宗穂(金沢大学付属病院 消化器内科), 大石 尚毅(金沢大学付属病院 消化器内科), 鷹取 元(金沢大学付属病院 消化器内科), 島上 哲朗(金沢大学付属病院 消化器内科), 北村 和哉(金沢大学付属病院 消化器内科), 荒井 邦明(金沢大学付属病院 消化器内科), 加賀谷 尚史(金沢大学付属病院 消化器内科), 山下 太郎(金沢大学付属病院 消化器内科), 酒井 佳夫(金沢大学付属病院 消化器内科), 山下 竜也(金沢大学付属病院 消化器内科), 水腰 英四郎(金沢大学付属病院 消化器内科), 本多 政夫(金沢大学付属病院 消化器内科), 金子 周一(金沢大学付属病院 消化器内科)
抄録 【背景】肝癌のラジオ波焼灼療法(RFA)に 2012年10月よりバイポーラ方式のアプリケーターが採用された。今回我々はバイポーラ方式によるRFAの使用経験について報告する。【対象と方法】2013年6月から2013年9月までの期間、当科で肝腫瘍に対してバイポーラ方式を用いてRFAを施行した10例16結節(肝細胞癌(HCC)12結節:転移性肝癌4結節)を対象とした。RFAアプリケーターはCelonPOWERを使用し、焼灼時間と投与エネルギーは推奨dosimetryおよびPower/resistance graphを参照とした。【結果】対象の平均年齢は69歳(範囲56-80歳),背景肝予備能は肝障害度A /B:8/2例であった。対象結節の平均腫瘍径は15.3mm(範囲 7~36mm)、平均腫瘍個数は1.6個(範囲 1~3個)であった。使用ニードルと本数は、20mm × 2本:9結節、30mm × 1本:1結節、30mm × 2本:3結節、30mm × 3本:1結節、40mm × 1本:1結節 40mm × 3本:1結節であった。平均焼灼セッション数は1.1回、平均焼灼時間は9.7分、平均投与エネルギーは17.9KJ(範囲:7.5~50KJ)であった。20mm × 2本の平均焼灼範囲は31 × 25mm、40mm × 3本を使用し最大 51 × 38 mmの焼灼範囲を得られた。1回の治療で全例に腫瘍焼灼は得られており、周囲臓器損傷や脈管障害は認めなかった。合併症に関しては、追加鎮痛が必要な疼痛は1例,嘔気1例のみで、1例が術後出血をきたしたが塞栓療法にて止血を得られた。【考察】バイポーラ方式を用いたRFAでは複数針を使用することで腫瘍へのnon touch焼灼,避けたい脈管を避けての焼灼、および、広範な領域の焼灼が可能である。大型腫瘍やモノポーラ穿刺困難症例ではバイポーラによるRFAが安全かつ有用な可能性があると考えられた。
索引用語 肝癌, RFA