セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-117:von Recklinghausen病に合併した食道神経線維腫の一例 |
演者 | 田中 守(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学) |
共同演者 | 片岡 洋望(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 林 則之(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 片野 敬仁(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 西脇 裕高(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 濱野 真吾(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 尾関 啓司(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 塚本 宏延(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 海老 正秀(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 溝下 勤(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 森 義徳(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 久保田 英嗣(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 谷田 諭史(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学) |
抄録 | 今回われわれはvon Recklinghausen病に合併した食道神経線維腫の一例を経験したので貴重な症例と考え文献的考察を加え報告する.症例は60代,男性,約20年前von Recklinghausen病の診断をうけている.嚥下時つかえ感のため他院を受診し,上部消化管内視鏡検査にて粘膜下腫瘍を認めたため精査目的で当院紹介となった.上部消化管造影検査では胸上部食道に径約40mm大の表面平滑な隆起性病変を認めた.上部消化管内視鏡検査では胸上部食道に粘膜下腫瘍様の病変を認め,超音波内視鏡検査にて第二層由来,内部は低エコー域で,一部に高エコー域をもつ不均一な腫瘤を認めた.CTでは胸上部食道に造影にて増強効果不良の限局性の壁肥厚を認め,MRIではT2高信号・T1低信号,造影にて辺縁優位に緩徐に増強される粘膜下腫瘍を認めた.診断目的の内視鏡的粘膜切除術の病理組織像では,異型のない扁平上皮下に炎症性細胞浸潤を伴った疎な線維性組織の増生を認め,紡錘形細胞は免疫染色でS100陽性を示し神経線維腫と診断した.神経線維腫症1型(von Recklinghausen病)は1882年にRecklinghausenにより初めて報告され,皮膚および神経の多発神経線維腫,カフェオレ班と呼ばれる色素斑を主徴とし,骨変化,脳脊髄腫瘍,眼病変,learning disabilityなど多彩な症候のみられる常染色体優性遺伝性の疾患である.人口10万人につき30~40人,日本には4万人前後の患者が存在すると推定されており,比較的目にする機会の多い疾患である.消化器系には非上皮性腫瘍の合併がみられ,小腸,胃,大腸の順に多いといわれており,食道の報告例はほとんどない. |
索引用語 | von Recklinghausen病, 食道神経線維腫 |