セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-128:

NBIシステム併用拡大観察とEUSの深達度診断の有用性について、食道癌根治手術を行った表層型食道癌13例を対象とした比較検討

演者 館 正仁(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 )
共同演者 田中 善宏(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 桜谷 卓司(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 棚橋 利行(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 八幡 和憲(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 今井 寿(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 佐々木 義之(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 松橋 延壽(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 奥村 直樹(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 野中 健一(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 高橋 孝夫(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 長田 真二(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 ), 吉田 和弘(岐阜大学医学部附属病院 腫瘍外科 )
抄録 近年食道癌に対する深達度診断の重要性は増しそのモダリティーの進歩は著しい。内視鏡下粘膜切除や鏡視下食道切除の普及に伴い正確な診断方法の各施設での確立と標準化が望まれる。(目的)当科では食道表在癌に対し、消化管造影・通常内視鏡検査、超音波内視鏡での診断を行ってきた。NBI (narrow band imaging)により、粘膜表面の血管構築や微細構造を明瞭に描出し得ることが可能となり、食道においてはIPCL(intra epithelial papillary capillary loop)のパターン変化が、癌の深達度診断に有用であることが報告されている。今回我々は術前にNBIとEUS(Endoscopic ultrasoundscopy)が施行されており食道癌根治手術を行った13例に関してretrospectiveにNBIとEUSの深達度診断を比較検討し、外科医の立場から治療方針を選択する上でどの検査方法が有用かを検討した。(対象)2008年4月から2011年12月までの当科での食道癌手術症例72例のうち、13例を対象とした。NBIにおけるIPCLパターンからの深達度とEUSの深達度を実際の手術標本での病理学的な深達度と比較した。(結果) EUSでmm、NBIでV-3と診断し、病理結果はpSM2であった症例が1例、EUSでsm深部への浸潤を疑い、NBIでV-3と診断し、病理結果はpMMであった症例が2例、EUSでsmと診断し、NBIでV-2と診断し、病理結果はpMMであった症例が1例、EUSでsmと診断し、NBIでV-3、病理結果がpSM3であった症例が1例、EUSでsm深部、NBIでV-2と診断し、病理結果がpMMであった症例が1例であり、その他7例に関しては深達度評価に関して相違を認めず、実際の病理所見と一致をみた。(考察)粘膜筋板までのMM症例でEUSで深く読んでしまう可能性があった。EUSのみの術前評価ではM2・3症例を過大評価してしまう可能性があり、ESDで事足りる症例に食道切除を行うことにつながる。EUSとNBI双方での総合的な評価をすることが重要に思われた。(結語)M3以深の症例でNBI を併用した拡大内視鏡観察による上皮内血管やavascular areaの観察は有用性が高い可能性がある。。
索引用語 深達度診断, 表層型食道癌