セッション情報 一般演題

タイトル O-093:

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)が診断に有用であったびまん性膵腫大の2例

演者 樋口 正美(松波総合病院 内科)
共同演者 古賀 正一(松波総合病院 内科), 全 秀嶺(松波総合病院 内科), 藤井 淳(松波総合病院 内科), 淺野  剛之(松波総合病院 内科), 佐野 明江(松波総合病院 内科), 早崎 直行(松波総合病院 内科), 伊藤 康文(松波総合病院 内科), 山北 宜由(松波総合病院 内科), 村瀬 貴幸(松波総合病院 病理診断部), 池田 庸子(松波総合病院 病理診断部)
抄録 【はじめに】びまん性膵腫大は臨床的に急性膵炎が除外された場合は、自己免疫性膵炎、多発膵癌、悪性リンパ腫等の鑑別が問題となる。今回我々は超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)が診断に有用であった2例を経験したので報告する。【症例1】73歳女性。2012年9月に便秘、腹部不快があり紹介。下部消化管内視鏡検査で上行結腸に狭窄を伴った腫瘍を認めた。腹部超音波検査、腹部CTでびまん性膵腫大の所見を認めた。画像からは膵癌又は自己免疫性膵炎、悪性リンパ腫が疑われた。治療方針決定のために病理学的診断を目的に、膵病変に対してEUS-FNAを施行した。採取検体は低分化型腺癌であった。CT上、腸間膜の濃度上昇、複数のリンパ節腫大も認めており、切除不能の膵癌と診断し化学療法を開始した。【症例2】43歳女性。2012年10月に尿濃染があり当院泌尿器科を受診。血液検査で胆道系酵素の軽度上昇、腹部CTでびまん性膵腫大を認め、精査加療目的で当科紹介。MRIで均一なびまん性膵腫大、血液検査でIgG4軽度高値を認めた。頚胸腹部CTでは自己免疫性膵炎の膵外病変を示唆する頚部・肺門リンパ節腫大や後腹膜線維種の所見は認めなかった。膵癌の除外目的でEUS-FNAを施行した。採取検体は炎症、線維化の所見であり、ERCPでは膵管の狭細像を認めた。自己免疫性膵炎臨床診断基準2006に従い自己免疫性膵炎と診断し、プレドニンを開始した。その後びまん性膵腫大は改善した。【まとめ】びまん性膵腫大の症例は画像所見だけでは鑑別困難であり、癌の除外は必須である。超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)は確定診断に有用であると考えられた。
索引用語 びまん性膵腫大, EUS-FNA