セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-086:

頸椎転移を契機に発見された膵尾部癌の1例

演者 村林 桃士(伊勢赤十字病院 消化器内科)
共同演者 川口 真矢(伊勢赤十字病院 消化器内科), 杉本 真也(静岡県立静岡がんセンター 内視鏡科), 伊藤 達也(伊勢赤十字病院 消化器内科), 三浦 広嗣(伊勢赤十字病院 消化器内科), 高見 麻佑子(伊勢赤十字病院 消化器内科), 山本 玲(伊勢赤十字病院 消化器内科), 山村 光弘(伊勢赤十字病院 消化器内科), 東谷 光庸(伊勢赤十字病院 消化器内科), 大山田 純(伊勢赤十字病院 消化器内科), 福家 博史(伊勢赤十字病院 消化器内科)
抄録 【症例】60歳男性。糖尿病にて内服加療中、3か月間続く右肩痛を主訴に20XX年7月当院整形外科を受診した。CT、MRIにて第5頸椎に腫瘍性病変を指摘され、原発巣の検索目的の胸腹部CTにて膵尾部に腫瘤を認めたため、当科へ紹介となった。血液検査では、CA 19-9 73099 U/mlと腫瘍マーカーの上昇を認めた。腹部CTでは、膵尾部に脾門部と接する7×5cm大の周囲膵より造影効果の乏しい腫瘤を認めたが、頸椎以外に転移性病変は認めなかった。膵尾部腫瘤は、EUS上、辺縁不整な低エコーを呈し、EUS-FNAにて、ductal adenocarcinoma,well differentiated typeと病理診断された。頸椎病変はMRI上、造影効果を伴った骨硬化性病変であり、骨シンチでも強い集積を認めた。以上の結果より、頸椎転移を伴った膵尾部癌cStageIVbと判断し、gemcitabineによる化学療法と頸椎転移に対し疼痛緩和目的の放射線療法を施行した。その後、原発巣、頸椎転移巣も次第に増大し、13か月後に永眠された。【考察】本症例は、頸椎転移を契機に膵尾部癌が発見されたが、これまで骨転移を契機に発見された膵癌症例の本邦報告例は5例(会議録を除く)と少なく、また、頸椎のみに転移を認めた膵癌もまれであり、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 頸椎転移, 膵癌