セッション情報 一般演題

タイトル O-025:

視神経炎を合併した潰瘍性大腸炎の1例

演者 田野 俊介(三重大学医学部附属病院 光学医療診療部)
共同演者 葛原 正樹(三重大学医学部附属病院 光学医療診療部), 稲垣 悠二(三重大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科), 野尻 圭一郎(三重大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科), 二宮 克仁(三重大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科), 山田 玲子(三重大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科), 井上 宏之(三重大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科), 濱田 康彦(三重大学医学部附属病院 光学医療診療部), 堀木 紀行(三重大学医学部附属病院 光学医療診療部), 竹井 謙之(三重大学医学部附属病院 消化器・肝臓内科)
抄録 症例は54歳の女性。主訴は下痢。H24年4月ごろから下痢を認めていた。6月18日ごろより右眼奥の疼痛を自覚するようになり、6月20日に右眼の急激な視力低下を認めたため近医を受診した。眼底所見で視神経の発赤を認め、頭部MRIでも視神経に高信号を認め右視神経炎にて同日当院眼科を紹介受診、入院となった。同日よりメチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム1g/日でステロイドパルス療法が施行された。視力は回復傾向であったが右眼の内転障害も認め6月26日に神経内科に転科となった。6月27日に頭部MRIで眼窩尖から海綿静脈洞に造影にても増強効果のある腫瘤を認めた。自己抗体や感染症など各種検査は陰性であり非特異的炎症に伴うものと考えられたためトロサハント症候群疑いでプレドニゾロン50mg内服継続となった。その後、内転障害、視力低下は改善した。徐々にプレドニゾロンは減量してきていたが視神経炎の悪化は認めなかった。同年9月の頭部MRIでは腫瘤は消失していた。同年11月初旬に右下腿の掻痒を自覚するようになり掻破していたところ同部位が潰瘍となったため近医皮膚科を受診した。加療をうけるも改善に乏しく11月20日当院皮膚科を受診、入院となった。壊疽性膿皮症と診断され、このときプレドニゾロンを10mgまで減量していたが30mgへ増量され加療された。以前より下痢が続いていること、腹部CTで結腸に璧肥厚を認めたことから炎症性腸疾患が疑われたため当科を紹介受診、11月27日に大腸内視鏡が施行された。S状結腸から盲腸にかけて易出血性の粗造な粘膜を認め、生検でも潰瘍性大腸炎に矛盾しないものであった。プレドニゾロンに加えサラゾスルファピリジンの内服が開始され、下痢症状も改善した。以前より下痢症状を認めており、右視神経炎も潰瘍性大腸炎の腸管外合併症と考えられた。視神経炎の合併した潰瘍性大腸炎は稀であり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 視神経炎