セッション情報 |
一般演題(研修医(卒後2年迄))
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タイトル |
O-080:左肝管原発IPNB(Intraductal papillary neoplasm of the bile duct)の1例
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演者 |
西村 廣明(済生会松阪総合病院 外科) |
共同演者 |
市川 健(済生会松阪総合病院 外科), 河埜 道夫(済生会松阪総合病院 外科), 近藤 昭信(済生会松阪総合病院 外科), 田中 穣(済生会松阪総合病院 外科), 長沼 達史(済生会松阪総合病院 外科) |
抄録 |
IPNBは胆管内での胆管被覆上皮の乳頭状増殖、粘液の産生性、病変部胆管に隣接した中枢側胆管腔の拡張といった特徴を有する病変として定義づけられている。今回我々は粘液による閉塞性黄疸にて発症した左肝管原発のIPNBの1切除例を経験したので報告する。【症例】70歳代女性。【主訴】上腹部痛。【既往歴】10年前両側ソケイヘルニア手術。1年前急性胆嚢炎にて他院にて開腹胆摘。【現病歴】2012年7月中旬 右上腹部痛にて近医入院。その際の画像診断にて肝内胆管の拡張と総胆管内の陰影欠損を認め、精査加療目的に当院に転院。【血液検査所見】WBC 10000/μL、CRP 3.4mg/dL、T.Bil 6.3mg/dl、ALP 1895IU/L、γGTP 462IU/L、CA19-9 3767U/mL【画像所見】US:両側の肝内胆管の拡張、総胆管の拡張あり。plainCT:両側肝内胆管と総胆管の拡張および少量の腹水あり。閉塞性黄疸と診断し入院となりERCPを行った。乳頭の開大は認めずENBDを挿入した。ENBD造影:左肝管、総胆管に陰影欠損を認めた。総胆管結石を疑いEPBDを行いバスケットにて総胆管内を掻爬すると粘液が摘出された。胆汁細胞診は陰性。粘液除去後の造影CTでは右肝管と総胆管の拡張は改善するも左肝管の拡張は残存していた。MRCP:左肝内胆管の拡張と左肝管内に8mm大の腫瘤像を認めた。IDUS:左肝管に隆起性病変あり。PETCT:明らかな集積なし。以上より左肝管原発のIPNBと診断し尾状葉合併肝左葉切除+肝外胆管切除を施行した。摘出標本では左肝管内には粘液が充満していた。病理所見:胆管内に粘液とともに腫大した核を有する乳頭状の細胞増生とともに、周囲間質に粘液の漏出様構造も認め、IPNB由来の粘液癌Stage Iと診断した。【まとめ】腫瘍の局在診断にはMRI、IDUSが有用であった左肝管原発のIPNBの1切除例を経験した。 |
索引用語 |
IPNB, 胆管がん |