セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-111:

腹痛を契機に発見された回腸Peutz-Jeghers型ポリープの一例

演者 中西 和久(名古屋市立西部医療センター消化器内科)
共同演者 足立 和規(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 稲垣 佑祐(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 山川 慶洋(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 小島  尚代(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 平野 敦之(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 河合  宏紀(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 木村 吉秀(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 土田 研司(名古屋市立西部医療センター消化器内科), 妹尾 恭司(名古屋市立西部医療センター消化器内科)
抄録 症例は36歳男性、主訴は腹痛、嘔気。平成24年1月30日からの間欠的な腹痛、嘔気を自覚し、症状が続くために当院消化器内科を受診した。腹部造影CT施行したところ回腸末端に造影効果を認める2cm大の腫瘤性病変を認めるが、明らかなリンパ節腫大は認めなかった。その後下部消化管内視鏡検査施行したところ回盲弁より数cm口側に、表面が脳回状構造の巨大なポリープ様病変を認めた。肉眼所見では過誤腫性ポリープが疑われたが、生検による確定診断はつかなかった。注腸検査では回腸末端に2cmほどの頭部をもつ有茎性ポリープを認めた。以上より回腸末端のポリープが腹痛の原因と考えられた。内視鏡的治療を希望されたため、ダブルバルーン内視鏡による内視鏡的ポリープ切除術を施行した。また、術前に施行したカプセル内視鏡検査では空腸から回腸の他の部位には異常所見は認めなかった。ポリープ切除時は留置スネアで締扼後、スネアにて一括切除した。切除標本の病理結果は粘膜筋板の樹脂状増生を認め、回腸限局のPeutz-Jeghers型ポリープと診断した。Peutz-Jeghers症候群で認めるポリープと同じ組織所見を持つが、遺伝的素因、色素班といった特徴を持たないものをGanonらは不全型Peutz-Jeghers症候群、渡辺らはPeutz-Jeghers型ポリープと名付けている。発生部位は大腸に多く小腸での報告例は少ない。また、ポリープは出血や腸重積などの症状で発見されることが多く、治療法は手術を選択されることが多い。今回我々はダブルバルーン内視鏡にて切除できた回腸Peutz-Jeghers型ポリープの一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 回腸Peutz-Jeghers型ポリープ, ダブルバルーン内視鏡