セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-097:

膵石の乳頭部嵌頓による急性胆管炎、膵炎の1例

演者 小池 弘太(静岡市立清水病院)
共同演者 窪田 裕幸(静岡市立清水病院), 池田 誉(静岡市立清水病院), 川崎 真祐(静岡市立清水病院), 松浦 友春(静岡市立清水病院)
抄録 【症例】58歳 男性【主訴】腹痛、黄疸【既往歴】33歳時大腸癌,肝転移にて結腸,肝切除、人工肛門造設術、アルコール性慢性膵炎【現病歴】2012年10月X日右季肋部痛にて当院受診。右季肋部に圧痛を認め、血液検査にて炎症反応および肝胆道系、膵酵素、ビリルビンの上昇を認めた。(WBC 132X10^2/μl,TB 10.15mg/dl,DB 6.61mg/dl,ALP 857IU/l,AST 139IU/l,ALT 187IU/l,γ-GT 546IU/l,AMY 758IU/l,CRP 7.09mg/dl)を認めた。腹部CTにて肝内胆管,総胆管と主膵管の拡張を認めた。またVater乳頭部に8mm大の石灰化の強い結石を認めた。同日ERCP施行し、主乳頭の腫大と白色結石の嵌頓を認めた。カニューレにて結石を少し押し込むと、膵液および膿性胆汁の流出を認めた。膵管造影にて主膵管拡張および主膵管内に8mm大の透亮像を認めた。EPST試行後、8線バスケットにて切石し膵管ステントを留置した。また総胆管および肝内胆管は拡張を認めたが結石は認めず、ENBDを留置し手技を終了した。術後より自覚症状は消失し、肝胆道系,膵酵素も速やかに改善した。術翌日に人工肛門パウチ内に白色結石の排出を認めた。成分分析の結果、炭酸Ca結石であり膵石と診断した。第4病日にENBD、膵管ステントとも抜去した。術後経過良好にて第8病日に退院した。【結論】今回我々は膵石の乳頭部嵌頓による急性胆管炎,膵炎に対し内視鏡的切石術にて速やかに改善した症例を経験した。急性胆管炎,膵炎の原因として膵石の嵌頓も念頭にいれておく必要があると考えられた。
索引用語 膵炎, 膵石