セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
O-015:慢性偽性腸閉塞に対し右半結腸切除術を施行した一例
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演者 |
鈴木 悠土(愛知県厚生農業協同組合連合会 安生更生病院 消化器内科) |
共同演者 |
小屋 敏成(愛知県厚生農業協同組合連合会 安生更生病院 消化器内科), 岡田 昭久(愛知県厚生農業協同組合連合会 安生更生病院 消化器内科), 馬淵 龍彦(愛知県厚生農業協同組合連合会 安生更生病院 消化器内科), 竹内 真実子(愛知県厚生農業協同組合連合会 安生更生病院 消化器内科), 細井 努(愛知県厚生農業協同組合連合会 安生更生病院 消化器内科), 山田 雅彦(愛知県厚生農業協同組合連合会 安生更生病院 消化器内科) |
抄録 |
症例30歳前半の男性。既往・出生歴・家族歴に異常を認めない。大量飲酒・薬剤乱用歴・腹部手術歴も認めない。数年前から増悪する便秘で2011年12月初診。初診時の腹部単純X線写真で上行結腸と横行結腸にガスの充満像を認めた。2012年2月に便秘症状改善がえられなかったため再診。CT検査で上行結腸から横行結腸は著名に拡張しているが、明らかな閉は指摘できず、小腸の拡張や腹腔内悪性腫瘍も認めなかった。下部消化管内視鏡検査では脾弯曲に浅い潰瘍性病変を認め、それより口側の腸管は拡張し粗造な粘膜と残便を認めた。潰瘍性病変からの生検からは肉芽腫やアミロイド沈着など認めなかった。2012年7月から腹部膨満と血便のため入院。CT検査で5か月前に比べ上行結腸から横行結腸は著明に拡張し腸管内に液体が貯留しているが、明らかな閉塞は指摘できなかった。明らかな閉塞起点を認めないこと、腸閉塞の原因となる基礎疾患のないこと、小腸に拡張を認めないことから慢性偽性腸閉塞と診断し、治療目的に右半結腸切除術を施行した。術中所見では脾弯曲寄りの横行結腸に一部漿膜面が白色に変色した壁の硬化を認め、それより口側腸管の軽度の拡張を認めた。切除病変では横行結腸に暗赤色の潰瘍性病変を認め、潰瘍底に形質細胞浸潤を認め炎症性肉芽の形成が認められたが、背景大腸に神経叢の脱落やアミロイド沈着、肉芽腫形成を認めなかった。術後2か月後に一時的に腹部膨満感が再発し入院治療を要したが、保存的治療にて改善し、以後は内服治療で再発なく経過している。今回我々は慢性偽性腸閉塞に対し、右半結腸切除術を施行し、良好な経過が得られた一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
慢性偽性腸閉塞, 便秘 |