セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-017:H. pylori除菌療法後に消退した直腸MALTリンパ腫の1例 |
演者 | 松浦 愛(浜松医療センター 消化器内科) |
共同演者 | 吉井 重人(浜松医療センター 消化器内科), 松永 英里香(浜松医療センター 消化器内科), 石田 夏樹(浜松医療センター 消化器内科), 太田 和義(浜松医療センター 消化器内科), 下山 真(浜松医療センター 消化器内科), 森 泰希(浜松医療センター 消化器内科), 住吉 信一(浜松医療センター 消化器内科), 岩岡 泰志(浜松医療センター 消化器内科), 高井 哲成(浜松医療センター 消化器内科), 本城 裕美子(浜松医療センター 消化器内科), 影山 富士人(浜松医療センター 消化器内科), 山田 正美(浜松医療センター 消化器内科) |
抄録 | (症例)74歳、女性。(主訴)排便時血液付着。(現病歴)高血圧、慢性胃炎にて近医通院中に、排便時に血液付着を認めた。大腸内視鏡検査を施行したところ、直腸に異常所見を認めたため、精査加療目的で当科紹介となった。(経過)当院にて大腸内視鏡検査を再検したところ、直腸Rbに3cm大の表面平滑な粘膜下腫瘍を認めた。超音波内視鏡検査では、第2~3層を中心に低エコー性腫瘤を認めた。生検では、MALTリンパ腫、もしくはreactive lymphoid hyperplasiaが疑われたが、生検組織をフローサイトメトリーで検討したところ、免疫グロブリン軽鎖のκ鎖がλ鎖に比較して過剰発現しており、light chain restrictionを示した。PETでは、直腸に集積を認めた。以上からLugano国際分類stage Iの直腸MALTリンパ腫と診断した。上部内視鏡検査では、胃体下部前壁に0-IIc型胃癌と萎縮性胃炎を認めた。血清Helicobacter pylori(HP)-IgG抗体陽性であったため、胃幽門側切除術後にHP除菌治療を行った。その後、UBTにてHP陰性を確認した。除菌2ヶ月後に大腸内視鏡検査を再検したところ、直腸病変部は、軽度粘膜不整を認めるものの白色瘢痕化しており、前回と比較し内視鏡上改善傾向を認めた。生検で病理組織学的にも、リンパ腫細胞を示唆する所見は認めなかった。また、PETでも直腸に集積を認めなかった。除菌6ヵ月後に再度内視鏡検査を施行するも、肉眼的にも病理学的にも再発所見は認めていない。直腸MALTリンパ腫は、比較的稀な疾患である。近年、HP感染との関連が指摘され、HP除菌にて治癒する症例も散見されているが、手術・化学療法・放射線療法などもふくめ現時点では標準的治療は確立されていない。今回われわれは、HP除菌療法が奏功した直腸MALTリンパ腫の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 直腸MALTリンパ腫, H. pylori除菌 |