共同演者 |
伊藤 達也(伊勢赤十字病院 消化器内科), 村林 桃士(伊勢赤十字病院 消化器内科), 三浦 広嗣(伊勢赤十字病院 消化器内科), 高見 麻佑子(伊勢赤十字病院 消化器内科), 山本 玲(伊勢赤十字病院 消化器内科), 山村 光弘(伊勢赤十字病院 消化器内科), 東谷 光庸(伊勢赤十字病院 消化器内科), 大山田 純(伊勢赤十字病院 消化器内科), 福家 博史(伊勢赤十字病院 消化器内科) |
抄録 |
【目的】悪性胆道狭窄に対する経乳頭的な内瘻化に際してチューブステント(TS)とメタリックステント(MS)が使用される. 近年, 悪性胆道狭窄に対してTSの下端を胆管内腔に留置する胆管内留置法(inside stent)が提案され, 下端を十二指腸内とする従来法よりも開存期間の延長が認められている. 一方, Uncovered MS留置ではingrowthがあること, re-interventionが極めて困難であることが問題点である. 当院においてinside stentを留置した39症例のうち, 大腸癌肝転移もしくはリンパ節転移による閉塞性黄疸に対しinside stentを施行した5症例についてretrospectiveに検討した. 基本的に留置に際し乳頭切開は付加せず, TSはFlexima Biliary Stent 7Fr(Boston社製)を使用した.【結果】2010年12月~2013年2月の期間にinside stentを留置した5症例の内訳は男性1例, 女性4例, 年齢の中央値は69歳(28-90歳)であった. 原疾患は直腸癌1例, S状結腸癌1例, 上行結腸癌2例, 家族性大腸腺腫症に伴う多発進行大腸癌1例であった. 胆管狭窄の原因は肝転移3例, リンパ節転移2例であった. 狭窄部位は5例全例が肝門部から上部胆管であった. TSの留置本数は1本が4例, 2本が1例であった. 留置時期に関しては治療前の初診時が1例, 化学療法中が3例, 緩和療法中が1例であった. 全例で減黄が可能で, 治療前および化学療法中の症例では化学療法が可能となった. 留置方法は5例とも一期的留置であった. 合併症として1例に高Amy血症を認めた. 留置後の観察期間は30~186日と短いが, 1例が黄疸再燃のため30日でMSへ入れ替えた以外は, 閉塞なく経過している. 【結語】患者背景およびre-interventionを考慮すると, inside stentは大腸癌による胆道狭窄に対する経乳頭的な内瘻化の一つになり得ると思われた. |