セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-120:

Vigorous achalasiaを伴った食道横隔膜上憩室の1例

演者 木村 幹俊(愛知医科大学 消化器内科)
共同演者 飯田 章人(愛知医科大学 消化器内科), 田村 泰弘(愛知医科大学 消化器内科), 井上 匡央(岐阜県立多治見病院 消化器内科), 近藤 好博(愛知医科大学 消化器内科), 伊藤 義紹(愛知医科大学 消化器内科), 井澤 晋也(愛知医科大学 消化器内科), 増井 竜太(愛知医科大学 消化器内科), 土方 康孝(愛知医科大学 消化器内科), 徳留 健太郎(愛知医科大学 消化器内科), 河村 直彦(愛知医科大学 消化器内科), 水野 真理(愛知医科大学 消化器内科), 舟木 康(愛知医科大学 消化器内科DELIMITER愛知医科大学 中央臨床検査部), 小笠原 尚高(愛知医科大学 消化器内科), 佐々木 誠人(愛知医科大学 消化器内科), 宮地 正彦(愛知医科大学 消化器外科), 春日井 邦夫(愛知医科大学 消化器内科)
抄録 【症例】47歳、男性。【経過】X-2年より胸やけ症状出現。X-1年9月より胸やけと逆流症状の増悪を認め近医受診。上部内視鏡・胸腹部CT検査にて横隔膜上憩室と診断。PPI内服治療行うも逆流症状の増悪を認め精査加療目的で入院となった。食道造影で下部食道右側に5.1cm×5.2cmの憩室を認めた。上部消化管内視鏡検査にて門歯から35cmの右側壁に広い開口部をもつ上皮にびらんを伴う憩室を認めた。食道内圧検査では水嚥下時の一次蠕動波は40mmHg以上で、下部食道括約筋圧(LES圧)は40mmHg以上で弛緩不全を伴い食道アカラシアとびまん性食道痙攣の臨床的特徴を有しており、Vigorous achalasiaと診断した。24時間食道内pHモニタリングでは食道内pH4未満時間比率が20.4%と異常酸逆流を認めた。薬物療法抵抗性の巨大憩室(5cm以上)のため、X年1月当院消化器外科にて憩室切除および筋層切開、抗逆流手術(Dor法)を施行した。術後の病理診断では憩室壁に筋層を認め真性憩室であった。術前の逆流症状は消失し、第13病日に退院し現在経過観察中である。【考察】通常横隔膜上憩室は、食道下部の運動の亢進やLES圧の上昇により圧出性に生ずる仮性憩室であるとされている。本症例は稀なVigorous achalasiaを伴った真性憩室で食道機能検査により確定診断され、外科的治療が有効であった貴重な症例と考える。
索引用語 Vigorous achalasia, 食道憩室