セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-057:

ESDにて診断された胃MALT type lymphomaの一例

演者 加藤 雅一(浜松医科大学 第一内科)
共同演者 杉本 光繁(浜松医科大学 第一内科), 金子 雅直(浜松医科大学 第一内科), 市川 仁美(浜松医科大学 第一内科), 鈴木 聡(浜松医科大学 第一内科), 谷 伸也(浜松医科大学 第一内科), 佐原 秀(浜松医科大学 第一内科), 大石 慎司(浜松医科大学 第一内科), 魚谷 貴洋(浜松医科大学 第一内科), 寺井 智宏(浜松医科大学 第一内科), 栗山 茂(浜松医科大学 救急部), 山田 貴教(浜松医科大学 第一内科), 岩泉 守哉(浜松医科大学 分子診断学), 古田 隆久(浜松医科大学 第一内科), 金岡 繁(浜松医科大学 分子診断学), 大澤 恵(浜松医科大学 光学診療部), 杉本 健(浜松医科大学 第一内科)
抄録 73歳女性。X-2年の定期検診の上部消化管内視鏡検査では胃内に萎縮性胃炎以外には異常所見がなかったものの、X-1年11月の検診で胃角部後壁に2-3cm大、前庭部前壁に5mm大のSMT様隆起病変を指摘されたため、同年12月当院紹介受診。計2回の通常の生検では確定診断に至らず、粘膜切開生検も施行したが、リンパ球の浸潤を認めるものの確定診断は至らなかった。また、腫瘍は比較的急速に増大をしており、EUSで腫瘍が第2層由来と考えられたために、診断および治療目的に同年3月と4月に両病変に対してESDを施行した。摘出標本では、組織学的に粘膜内のリンパ濾胞形成とmarginal zoneの増生、LELなどが観察された。免疫染色ではCD5(+)、CD20(+)、CD79a(+)、bcl-2(+)、CD3(-)、CD10(-)、CD23(-)であり、MALT type lymphomaが強く疑われた。本症例は、5年前にH. pyloriの除菌治療を施行しており、胃内病変も2つ存在をしたこと、PETを含めた各種画像検査で他臓器に腫瘍性病変がないことから、追加治療として胃への放射線療法の適応があるものと思われた。MALT type lymphomaをESDで治療的な切除可能か否かについてエビデンスはないが、過去にはSMT様の形態を呈して症例においてESDで診断的治療を行っている報告があり、特にSMT様隆起病変を呈する病変に対する内視鏡治療の適応を含めて若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胃MALTリンパ腫, ESD