セッション情報 一般演題

タイトル O-008:

大腸ESDと経肛門的局所切除の合同手術にて切除した大腸腺腫の1例

演者 亀井 昭(三重中央医療センター 消化器科)
共同演者 尭天  一亭(桑名東医療センター 外科), 子日 克宣(三重中央医療センター 消化器科), 竹内 圭介(三重中央医療センター 消化器科), 渡邉 典子(三重中央医療センター 消化器科), 長谷川 浩司(三重中央医療センター 消化器科), 草深 智樹(三重中央医療センター 外科), 武内 秦司郎(三重中央医療センター 外科), 信岡 祐(三重中央医療センター 外科), 谷川 寛自(三重中央医療センター 外科), 横井 一(三重中央医療センター 外科)
抄録 【はじめに】2012年4月より、大腸ESDが保険適応となったが、その適応病変は、最大径20~50mmの腺腫または早期大腸癌とされている。今回大腸ESDと経肛門的局所切除の合同手術にて切除した歯状線にかかる60mm大の大腸腺腫の1例を経験したので若干の考察を加え報告する。【症例】80才女性、大腸ファイバーにて歯状線にかかる60mm大のLST-Gを指摘された。生検で腺腫と診断、内視鏡的に明らかな悪性所見は認めなかったが、サイズが大きく癌の合併が否定できず、一括切除が望ましいと考えられた。大腸ESDでは歯状線近傍の処置が困難である可能性があり、外科にて経肛門的局所切除術を依頼したが、口側の切除が困難とのことで、ESDと経肛門的局所切除の合同手術を施行した。手術は全身麻酔下にまず大腸ESDにて病変の口側の粘膜切開とトリミングを施行した。その後ローンスターリトリクターにて視野展開し、直視下に局所切除術を施行し病変を一括切除した。切除面を手縫いで縫縮し終了した。病変径は60×42mmで、組織はadenomaであった。術後経過良好で第5病日に退院した。【まとめ】外科手術の際にESDを併用することで、病変の切除線が明確化し、必要十分な局所切除が可能となった。また大腸ESDでは困難と思われる縫縮も、用手的な縫縮では可能であったことから、より安全な切除であったと考えられる。大腸ESDと経肛門的局所切除の合同手術は特別な機器は必要なく、内視鏡医と外科医の連携が十分にとれれば、非常に有用であると思われた。
索引用語 大腸ESD, 合同手術