セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | O-135:当院におけるHCV関連肝癌根治治療後のSVRを目的としたIFN治療とその予後の検討 |
演者 | 和田 啓孝(小牧市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 舘 佳彦(小牧市民病院 消化器内科), 宮田 章弘(小牧市民病院 消化器内科), 平井 孝典(小牧市民病院 消化器内科), 小原 圭(小牧市民病院 消化器内科), 小島 優子(小牧市民病院 消化器内科), 灰本 耕基(小牧市民病院 消化器内科), 佐藤 亜矢子(小牧市民病院 消化器内科), 飯田 忠(小牧市民病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】HCV関連肝癌ではその根治術後においても肝癌は高率に再発するために、治療後の抗HCV治療が予後に影響する。当院の治療方針として、HCV関連肝癌ではその根治術後において肝機能の改善を狙うIFN少量長期投与ではなく、SVRを目的とした抗HCV治療を第一選択とし治療を施行してきた。また肝癌再発後も積極的に抗HCV治療の再開継続を行ってきた。今回HCV関連肝癌根治術後における当院の抗HCV治療方針に沿った治療効果の検討を行った。【方法】当院において過去にIFN治療歴がなくHCV関連肝癌に対して、肝切除術、RFAによる肝癌根治術を施行後にSVRを目的とした抗HCV治療を施行された46人(平均年齢67.3歳、男性/女34人/12人)を対象とした。抗HCV治療への反応と肝癌の再発、生命予後との関連性に関してKaplan-Meier法、Log-rank testにて解析した。【1】全期間中にSVRが得られた群とSVRが得られなかった群における生存率の検討を行った。【2】肝癌再発後に再度IFN治療を施行しSVRが得られた、もしくはIFN少量長期投与が可能であった群とIFN治療が施行されなかった群とにおいて生存率に関しての検討を行った。【成績】平均観察期間は約6年6か月間(2363日)であった。46人中、肝切除術が10例に施行され、RFA、PEITを含む経皮的治療が36例に施行された。経過中肝癌死が11例、肺癌死が1例、肝移植術が1例、生存は33例に認められた。【1】全期間中においてSVR群は27例、non-SVR群は14例であった(5例はIFN治療継続中)。SVR群の5年生存率は100%、non-SVR群の5年生存率は71%でありSVR群において有意に生存率が高値であった(P=0.02)【2】再発後に再度IFN治療を施行しSVRが得られた、もしくはIFN少量長期投与が可能であった群(10例)とIFN治療が施行されなかった群(10例)では生存期間の中央値はそれぞれ2844日、1398日であった(P=0.081)【考案】HCV関連肝癌の根治術後患者において、第一にSVRを目指した治療を行い、第二に肝癌再発後もIFN治療を継続することが生命予後の改善につながる可能性のありえることが示された。 |
索引用語 | HCV関連肝癌, インターフェロン |