セッション情報 一般演題

タイトル O-049:

消化管病変を認めたSchonlein-Henoch紫斑病7例の臨床的検討

演者 池谷 賢太郎(浜松南病院 消化器病・IBDセンター)
共同演者 丸山 保彦(藤枝市立総合病院 消化器科), 高井 哲成(浜松南病院 消化器病・IBDセンター), 飯田 貴之(浜松南病院 消化器病・IBDセンター), 渡辺 文利(浜松南病院 消化器病・IBDセンター), 花井 洋行(浜松南病院 消化器病・IBDセンター)
抄録 【目的】Schonlein-Henoch紫斑病(以下SHP)の消化管病変の特徴、臨床像を明らかにすることを目的とした。【方法】2006年1月から2013年3月までにSHPと診断され、内視鏡検査を施行した7例(男性6例、女性1例、年齢17歳~80歳)につき、症状、内視鏡所見、腹部エコー・CT所見、消化管外病変、治療について検討した。【成績】症状:3例に先行感染のエピソードを認めた。初発症状は紫斑4例、紫斑及び関節痛1例、血尿1例、紫斑と腹部症状同時が1例。紫斑出現後消化器症状出現までは0日~15日(平均10.7日)であった。内視鏡像:全例で十二指腸下行部に、4例で水平部まで病変を認めた。発赤・粗ゾウ粘膜、粘膜下血腫様病変が特徴であり、4例では潰瘍形成を認めた。病変はケルクリングひだ上に輪状する傾向があり、病勢の強いものでは地図状を呈した。CT・US所見:7例中5例で空腸・回腸の壁肥厚、拡張などの小腸病変を認めた。また、2例で腹水、1例でイレウス像を認めた。消化管外病変:4例で腎障害(うち1例はネフローゼ症候群)、1例で関節症状を認めた。治療:経過観察が可能であった6例でPSL20~40mgを導入。4例は初期量で軽快(1例は腎障害遷延のためPSL5mg継続)。2例は改善せず増量を要した。また、2例にXIII因子、1例にDDSの投与、イレウスをきたした1例にイレウス管の留置を要した。治療難渋例は消化管病変の罹患範囲が広く、腎障害を合併していた。【結論】SHPは比較的特徴的な内視鏡所見を呈し、特に十二指腸下行部の観察が診断に有用である。CTやエコーにて消化管罹患範囲を把握し、消化管外合併症も考慮した上で、治療方針を決定する必要があると考えられた。
索引用語 Schonlein-Henoch紫斑病, 消化管病変