セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-124:

食道神経内分泌細胞癌の1例

演者 石田 夏樹(浜松医療センター 消化器内科)
共同演者 松永 英里香(浜松医療センター 消化器内科), 太田 和義(浜松医療センター 消化器内科), 下山 真(浜松医療センター 消化器内科), 松浦 愛(浜松医療センター 消化器内科), 末廣 智之(浜松医療センター 消化器内科), 森 泰希(浜松医療センター 消化器内科), 本城 裕美子(浜松医療センター 消化器内科), 高井 哲成(浜松医療センター 消化器内科), 岩岡 泰志(浜松医療センター 消化器内科), 住吉 信一(浜松医療センター 消化器内科), 川村 欣也(浜松医療センター 消化器内科), 吉井 重人(浜松医療センター 消化器内科), 影山 富士人(浜松医療センター 消化器内科), 山田 正美(浜松医療センター 消化器内科), 森 弘樹(浜松医療センター 病理診断科), 小澤 享史(浜松医療センター 病理診断科)
抄録 【症例】51歳,女性.2012年4月中旬より左頸部のリンパ節腫脹と疼痛が出現した.近医にて造影CT施行したところ両側頚部および腋窩に多発性リンパ節の腫大を認め悪性リンパ腫が疑われ,左頸部リンパ節からの生検では腺癌の病理診断であった.その後のPET-CTにて食道および左乳腺に高集積を認め,食道精査のため消化器内科紹介となった.上部消化管内視鏡検査にて胸部中部食道に長径5cm程度の3型腫瘍性病変が認められ,リンパ節腫張部位の疼痛コントロール困難であったため精査・加療目的に入院となった.左頸部リンパ節および食道病変の生検にてCD56,chromogranin A,synaptophysinがいずれも陽性の食道神経内分泌細胞癌と診断された.またPET-CTにて高集積を認めた左乳腺の針生検からも食道病変と同様の病理結果が得られた.以上から食道神経内分泌細胞癌cStageIVbと診断した.第7病日目よりCDDP+CPT-11療法(CDDP:40mg (30mg/m2)day1, 15,CPT-11:85mg (60mg/m2)day1, 15)開始した.しかし1コース施行した時点で疼痛コントロール不良となり,さらに急激に全身状態が悪化したため化学療法継続困難となり,第85病日目に永眠された.【考察】食道神経内分泌細胞癌は稀な疾患であり頻度は全食道癌中1~1.5%と報告されている.早い段階から粘膜下層以深に腫瘍が浸潤しやすく,脈管,リンパ管侵襲が高率で早期に転移しやすく発見時には多くがリンパ節転移や遠隔転移をきたしているため予後は極めて不良とされる.食道神経内分泌細胞癌の標準的治療法は確立されていないのが現状であり今後の症例の集積による標準的治療の確立が望まれる.
索引用語 食道癌, 神経内分泌細胞癌