セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル O-061:

腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除術(LECS)にて切除しえたGISTの1例

演者 石橋 浩平(市立島田市民病院 消化器内科)
共同演者 尾上 俊也(市立島田市民病院 消化器内科), 間渕 裕行(市立島田市民病院 消化器内科), 高橋 正彦(市立島田市民病院 消化器内科), 金山 広和(市立島田市民病院 消化器内科), 松下 雅広(市立島田市民病院 消化器内科), 森下 宗自(市立島田市民病院 消化器内科), 磯野 忠大(市立島田市民病院 外科), 植田 猛(市立島田市民病院 外科), 上村 和康(市立島田市民病院 外科)
抄録 【症例】58歳 男性。タール便、倦怠感、動悸を主訴に2012年11月6日に近医より当科へ紹介受診となった。採血上でHb 8.2g/dlと貧血を認め、緊急上部消化管内視鏡を施行した。体上部後壁に胃内発育型の巨大なSMTを認めた。表面粘膜は発赤調であったが活動性の出血やDelleは認めなかった。腹部造影CTでは胃内に突出した粘膜下に漸増濃染する4cm弱の境界明瞭な腫瘤を認めた。EUSでは筋層と連続する内部均一な腫瘤を認め、GISTが疑われた。手術適応と判断し11月15日に外科紹介となり、2013年1月9日に待機的に腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除(Laparoscopiy Endscopy cooperative Surgery 以下 LECS)が施行された。手術時間は3時間19分で出血量は少量であった。自動吻合機器の使用回数は2回で、胃の変形を伴わず、最小の範囲で胃切除をすることができた。病理診断は、GIST, pT2, StageIA, surgical margin(-)であった。【考察】LECSとは内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)と腹腔鏡下胃局所切除を融合した手法で、従来の腹腔鏡下胃局所切除と比べLECSは腫瘍の局在にかかわらず(噴門近傍や幽門近傍含む)、最小限の胃切除で腫瘍を切除でき、切除による胃の変形も起こりにくく、術後の胃機能を温存できるとの報告もある。【結語】今回、我々は、胃体上部後壁のSMTに対し、LECSを施行した貴重な1例を経験したため、文献的考察を加え報告する。
索引用語 LECS, GIST