セッション情報 一般演題

タイトル O-065:

進行膵癌による十二指腸狭窄に対しメタリックステント留置が有効であった一例

演者 高垣 航輔(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科)
共同演者 松下 直哉(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 西野 眞史(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 竹内 靖雄(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 白井 直人(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科), 梶村 昌良(JA静岡厚生連 遠州病院 消化器内科)
抄録 【症例】74歳、男性。平成23年10月食欲不振、黄疸にて近医より紹介となった。総ビリルビンおよび肝胆道系酵素の上昇とCA19-9 150U/mlと高値を認めた。腹部CT上膵頭部に径3cm大の造影効果に乏しい腫瘍を認め、下部胆管の狭窄とその上流の胆管の拡張、主膵管の拡張を認めた。周囲の十二指腸壁との境界は不明瞭で、門脈と上腸間膜動静脈は途絶し腫瘍の浸潤と考えられた。上部内視鏡検査では十二指腸後壁や乳頭肛門側に潰瘍を認め、生検ではadenocarcinomaを認めた。腫瘍による閉塞性黄疸に対し狭窄部にメタリックステントを留置し内瘻化したうえで、手術適応がないためGemcitabineによる外来化学療法を開始した。その後、12月頃より食事摂取が低下したため、再入院となった。腹部CT上十二指腸下行脚より口側の拡張と内容物の貯留を認めた。上部内視鏡検査にて同部の狭窄を認め、12月12日バルーン拡張を施行し、6cm長の十二指腸メタリックステントを留置した。ステント内を観察すると腫瘍の直接浸潤が疑われた。その後経口摂取良好となり、外来にてS-1による化学療法を継続となった。【考察】悪性疾患による消化管狭窄に対する内視鏡的ステント留置術は、比較的低侵襲であり、経口摂取の早期再開や腹満感・嘔気などを改善し自宅療養の可能性を高めるため、進行癌に対する重要な治療戦略の一つと考えられる。
索引用語 十二指腸閉塞, ステント