セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | O-023:人工肛門造設によるFecal diversion後に症状の軽快を認めた大腸型クローン病の2例 |
演者 | 金子 雅直(浜松医科大学 医学部 1内科) |
共同演者 | 山田 貴教(浜松医科大学 医学部 1内科), 市川 仁美(浜松医科大学 医学部 1内科), 鈴木 聡(浜松医科大学 医学部 1内科), 谷 伸也(浜松医科大学 医学部 1内科), 佐原 秀(浜松医科大学 医学部 1内科), 大石 慎司(浜松医科大学 医学部 1内科), 魚谷 貴洋(浜松医科大学 医学部 1内科), 寺井 智宏(浜松医科大学 医学部 1内科), 岩泉 守哉(浜松医科大学 医学部 1内科), 栗山 茂(浜松医科大学 救急部), 杉本 光繁(浜松医科大学 医学部 1内科), 古田 隆久(浜松医科大学 臨床研究管理センター), 金岡 繁(浜松医科大学 分子診断学), 大澤 恵(浜松医科大学 光学診療部), 杉本 健(浜松医科大学 医学部 1内科) |
抄録 | 【はじめに】今回、我々は内科的には治療に難渋し、便流変更を目的とした一時的な人工肛門造設術(Fecal diversion, FD)を選択した大腸型クローン病の2症例を経験したため報告する。【症例1】20歳、女性。白血球増多、口内炎、発熱を認め、当院免疫内科でBehcet病を疑い、治療されていた。2012年1月頃より下痢と発熱の悪化を認め当科へ紹介。入院時の内視鏡所見は全大腸に潰瘍性大腸炎に類似したびまん性発赤・浮腫であったが、治療中に縦走潰瘍、非乾酪性肉芽腫が明らかとなり、大腸型クローン病と最終診断した。5-ASA、血球成分除去(CAP)療法、免疫調節剤、抗TNF-α抗体、メトロにダゾールいずれの治療にても寛解が得られず、FDを施行した。術後は症状の改善を得て外来治療が可能となった。【症例2】17歳、女性。腹痛、血便、体重減少にて近医受診。内視鏡検査で大腸にびまん性の発赤・びらん・出血などを認め、炎症性腸疾患として紹介入院した。5-ASA、CAP療法、免疫調節剤、抗TNF-α抗体療法、成分栄養療法などで改善が得られず、経過中の内視鏡検査では縦走潰瘍の増悪を認め、内科治療抵抗性の大腸型クローン病と判断しFDを施行したところ、症状の改善を得て退院可能となった。【考察】FD後、両症例ともに経過良好で、免疫調節剤と抗TNF-α抗体にて治療を継続している。FDは、腸内容物の大腸通過を避けることにより、消化管粘膜の炎症を改善させ、栄養状態の改善を図る治療であるが、QOLは改善するものの、人工肛門の閉鎖が可能な症例は多くないことも報告されている。しかしながら、近年の抗TNF-α抗体療法の普及は粘膜治癒率を向上させており、一時的なFDを行った後に人工肛門閉鎖が可能となることも期待される。今後の症例集積により、内科的治療抵抗性大腸型クローン病において、FDに抗TNF-α抗体療法を加えることが、寛解導入を目指した治療選択肢のひとつとなる可能性がある。 |
索引用語 | クローン病, 便流変更術 |