セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | O-102:食道癌の小腸転移が穿孔した一例 |
演者 | 南部 美佳(藤枝市立総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 大畠 昭彦(藤枝市立総合病院 消化器内科), 丸山 保彦(藤枝市立総合病院 消化器内科), 景岡 正信(藤枝市立総合病院 消化器内科), 志村 輝幸(藤枝市立総合病院 消化器内科), 宇於崎 宏城(藤枝市立総合病院 消化器内科), 森 雅史(順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】72歳男性【主訴】発熱、恥骨周囲痛【既往歴】高血圧【生活歴】日本酒:2合、喫煙:20本/日【現病歴】胸のつかえ感を契機に精査したところ食道扁平上皮癌、cT4N3M0 stage4aと診断、FP療法および放射線療法施行するに至った。その後、3コース後には原発巣、リンパ節、その後出現した肝転移巣も縮小したが、肺と上顎歯肉に転移を認めた。FP療法4コース施行中、投与後4日目から、上記主訴が出現した。【身体所見】血圧96/59mmHg、心拍数117回/分、体温38.3度、酸素飽和度92 %(酸素3L投与下)、腹部:膨満、軟、圧痛なし、反跳痛なし、筋性防御なし【血液生化学所見】WBC 1.9×103/μl、Hb 9.0g/dl、Plt 152×103/μl、CRP 24.4mg/dl、BUN 34mg/dl、CRE 1.1mg/dl【腹部超音波】少量の腹水を認めるのみで、他特記事項なし【経過】投与後5日目、呼吸苦のスクリーニングで心臓超音波を施行した際、肝表面の混濁した腹水に気づき、CT施行したところfree airを認め、開腹手術となった。【手術所見】トライツ靭帯より120cm肛門側の回腸に穿孔部位を認めた。さらにトライツ靭帯より50cmに穿孔はしてはいないものの同様の硬結を認め、2か所切除した。【病理】23×21mmの腫瘍の中心部に7×5mmの穿孔あり。他方は11×10mm。両腫瘍ともsquamous cell carcinomaであった。【転帰】手術から約2か月経過し、外来通院中である。【考察】食道癌の小腸転移、穿孔例の報告は稀である。本症例では自他覚所見に乏しく、CTでfree airを確認するまで穿孔に気づかなかった。どの時点で穿孔していたか不明だが、これまでの化学療法でも投与後3、4日して食欲が落ちたり、倦怠感が出現してきたことからも、今回穿孔を疑うことができなかった要因と考えられる。【結語】食道癌小腸転移の稀1例を経験した。 |
索引用語 | 小腸転移, 食道癌 |